小説の書き方 バトル描写の書き方

シナリオライター編

ライトノベルは最近でこそ、俺強ぇのブームが落ち着きつつありましたが、まだまだ人気があるジャンルです。

俺強ぇの展開は、つまり「バトル」があるということです。

この「バトル」というものはハッキリいうと小説という媒体では不利です。

というのも、小説は文字で表現する媒体です。

どうしても漫画や映画の「視覚」と比べると、地味になってしまいます。

過去に話題となった作品で、戦闘描写を全て剣を打ちあう擬音だけで書いてしまったというものがありました。

読者から失笑されてしまうという事態になってしまいました。

このような形で話題にあるのは作家としては不本意でしょう。

ですので、こうならないように、どうやって戦闘描写をしていくのかをしっかりと学んでいってください。

今回はそんな戦闘描写に対しての解説をしていきます。

読者が知りたい情報はなんなのか?

まず、最初に考えるべきなのは、「読者は何が知りたいか」という部分です。

例えば、剣で戦うシーンだとします。

主人公は剣を肩に担ぐように振りかぶり、5歩ほど踏み込み、相手の肩をめがけて剣を振り下ろす。

しかし、敵は剣の腹で振り下ろされた剣を防ぎ、鍔迫り合いになる。

力の押し合いが続く。だが、敵の方がわずかに力が強く、主人公は徐々に押されていく。

このように、細かく描写するのもよいですが、ここまで細かく描写していると、1つのバトルだけでかなりのページ数を使ってしまいます。

その作品がバトルメインで、そのバトルがラストバトルというのであれば、細かく描写してもよいでしょう。

ですが、雑魚敵を倒すのに、ここまで描写していると読者は飽きてしまいます。

まず、あなたの作品が、何を推しにしていることを考えるべきです。

ハーレムもので女の子との掛け合いがメインであれば、戦闘描写は極力カットしなければいけません。

単に勝った、負けたと淡白に描いてもいいですが、もう少し描写したいと思った際にはどのように描写すればいいのでしょうか。

そこで考えるのが「読者が何を知りたいのか」です。

バトルの中で読者が知りたいのは、「相手との実力差」「戦っているキャラクターの攻撃方法や能力」「どのように決着したか」になります。

最低限、ここを抑えておけば、戦闘描写も淡白になり過ぎず、くどくなり過ぎないでしょう。

上の例で言うと、お互い「剣」で戦い、敵の方がやや優勢という描写を描けばいいのです。

そして、敵の方が強い場合に、どんな方法を使って勝つのかが、読者の知りたいところです。

相手の油断を付くのか、奥義を使うのか、策を弄するのか、などなど、盛り上がる決着方法を用意しましょう。

バトルの見せ場は意志のぶつかり合い

戦いというのは、お互いの意思のぶつかり合いにより起こるものです。

お互いの想いをぶつけ合うというのが、バトルの見どころです。

例えば、ガンダムなどがいい例でしょう。

モビルスーツで戦いながらも、パイロット同士の会話が繰り広げられます。

これが単にモビルスーツの戦いだけだと、どんなにバトルシーンが派手でも、味気ないものになってしまいます。

そして、この「想いをぶつけ合う」という部分が、漫画や映像よりも小説が勝る部分になります。

心理描写は映像よりも、文字での方が表現しやすいのです。

漫画で長々と台詞を描くと、バトルの迫力が薄くなってしまいます。

なので、漫画ではなるべく台詞は少なく、「派手な絵」を持ってくるわけです。

ですが、小説の場合はこの「心理描写」を上手く使って描くことで、見た目の派手な戦いではなく、「意思のぶつかり合い」に持って行くことで、読者を引き付けることができます。

戦うということは、なにかしら相手との意思との我の通し合いになります。

どちらの想いが強いのか?

その想いの強さにより、決着がつくことでドラマチックに演出できます。

とはいえ、バトル描写というのは、本当に難しいです。

好きな小説のバトルシーンをしっかりと読み込み、どういう表現をしているのかを見てみましょう。

もし、本格的なバトル物を書きたいというのであれば、ラノベではないのですが、夢枕獏先生の「餓狼伝」がお勧めです。

ストーリーは、本当に「戦いだけ」で進んで行くのですが、「戦う前までの想いの強さ」の部分や「戦いの最中の描写」は本当に秀逸です。

夢枕獏の独特な表現方法はなかなか真似はできないと思いますが、勉強にはなるでしょう。

もしくは、もう少しライトなものとしては、「バキ」の外伝作品として「ゆうえんち」があります。

こちらは挿絵も多く、餓狼伝よりも読みやすい作品になっています。

今まで読んだことのないジャンルを読んでみると、一気に上達することがありますので、興味があればぜひ、読んでみてください。

それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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