ゲームシナリオの書き方(ソーシャル編)

シナリオライター編

ゲームのシナリオをどう書けばいいのか?
テレビドラマやボイスドラマを書く場合と同じでいいのか?
ゲームのシナリオを書いていると、当然そんな疑問が出てきます。
今回はゲームのシナリオの場合、どう書いていけばいいのかを解説していきます。
※今回は「ソーシャルゲーム」の「メインストーリー」についての解説になります。
 ソーシャルゲームのイベントストーリーやコンシューマーゲームの場合は、また違った書き方が必要なので別の機会に解説していきたいと思います。

ゲームが一番

忘れてはいけないのが、ユーザーはゲームをしに来ているということです。
ゲームのシナリオだけを書いていると、これが忘れがちになってしまいます。
ついついシナリオの中身だけを見てしまい、ストーリーだけを追ってしまいます。

するとどうなるでしょうか。
ストーリーが長くなってしまったり、ゲーム仕様に沿わなくなっていきます。

ゲームをやりに来ているユーザーが長々とストーリーを見せられるとイライラしてしまいます。
そして、スキップボタンを押されてしまいます。
中にはスキップされることを嫌い、スキップボタンをあえて設置しないゲームもあったりします。
その場合は、ゲームから離脱されることになるでしょう。
これでは本末転倒です。

ゲームシナリオはあくまで、ゲームを盛り上げるものと、常に考えるようにしましょう。
また、ゲームの仕様や何を売りとしたいかを考えれば、おのずと描くべきストーリーが見えてくるはずです。

少し横道にそれてしまいますが、例えばリリースされるガチャキャラを引き立てたいと運営(ディレクター)が考えているとします。
ですが、ストーリーでは人気のキャラばかりが出ていたらどうでしょう。
運営としては全くそのストーリーは意味がないものとなってしまいます。

書くべき内容や出すべきキャラなどは、ライターだけではなく、ちゃんとディレクターと話し合った上で決めていくべきでしょう。

基本スキップされる

こちらも集中して書いていると忘れてしまうことですが、基本スキップされると考えておきましょう。
というより、読まない人も多いと思いましょう。

ユーザーはゲームをやりに来ているわけであって、シナリオを読むために来ているわけではありません。
(中にはシナリオを楽しみにしているというユーザーもいるでしょう)

ですが、あくまでメインはゲームです。
シナリオは、そのゲームを盛り上げるための一つの要素にすぎません。

ここが小説やテレビ、ラジオ、映画、舞台と違うところです。
ストーリーが主役ではないのです。

つまり、上の例にあげた小説などはストーリーのみに気を遣えばいいですが、ゲームの場合はそうはいきません。
ゲームシステム、リリースされるキャラ、その他用意できる素材、などなども考慮しながら書く必要があります。

どういうストーリであれば、よりゲームが引き立つか。
そういう視点で書くとよいでしょう。

中には、ゲーム性とストーリーが全く合っていないゲームがあったりします。
(ソーシャルゲームではよくある話です)
たとえば、戦闘画面が明るい雰囲気のパズルゲームなのに、ストーリーはガチガチのシリアスファンタジーになっているなどです。
ストーリーと戦闘の温度感も重要です。
ここが全く違うとユーザーは別のゲームをしているかのように感じてしまいます。

また、ゲームの仕様を知らないで書くライターがいますが、これはいけません。
基本的なゲームの仕様を知った上で、ストーリーに反映して書くのがゲームシナリオになります。

外注ライターに発注する場合も同様です。
よく、文字数と大筋の内容(キャラクタークエストストーリー)だけ伝えて発注しているプランナーを見かけますが、これではどんないいライターを使っても精度の低いものしかあがってきません。
ちゃんと必要な仕様(全部の仕様でなくてもよいです)が伝わる資料を作成して渡すとよいでしょう。

逆に発注を受けた場合も同様です。
ゲームの仕様を把握した上で、それを活かすようなシナリオを書けば、プランナーにも好評価を受けること間違いなしです。

ですので、一旦、冷静になるためにも、シナリオは主役ではないと考えるために「基本はスキップされる」と思ってみるとよいでしょう。

セリフで進めたほうが読んでくれやすい

小説が得意なライターがよく陥ってしまう罠なのですが、ゲームではあまり地の文(モノローグ)などは多様しない方がいいです。
小説は文字しかないので、すべての情景を文章で説明しなければなりません。
ですが、ゲームは総合作品です。

背景やキャラのイラストがありますし、ボイスだって入ることがあります。
イラストで見てわかることは、文章で説明しなくてもよいですし、ボイスが入るのであればある程度の感情は声優さんが表現してくれるので、これも文章で説明しなくてもよいでしょう。

また、メインとなるのは(ゲームで売りたいのは)キャラクターです。
地の文を増やすくらいであれば、セリフを増やした方が、よりキャラクターを魅力的に描くことができる(ユーザーが気に入ってくれる確率が高くなる)でしょう。

どちらかというと、ボイスドラマを書くようなイメージでシナリオを書いた方がよいでしょう。
ただ、ボイスドラマの要領で書くと、説明セリフが多くなってしまうので、注意が必要です。
イラストや感情エフェクトなどの視覚的に表現できるところは、セリフで表現しなくてもよいです。

視覚的な総合作品と考えるとテレビや映画、舞台のシナリオに近いのではないかと考えるかもしれません。
ですが、これらのシナリオは基本「役者の演技」や「カット割り」で見せる作品になります。
ゲームのイラストは立ち絵のみで動かないことが多いですし、カット割りもできないことが多いです。
(最近リリースされたソーシャルゲームの七つの大罪のように、アニメみたいに動く仕様というなら別ですが)
テレビや舞台の感覚で書くと、伝わりづらいシナリオになってしまう恐れがあります。

ですので、セリフで回す、ボイスドラマの感覚で書くのが一番近いのではないでしょうか。

基本読み返さない

漫画や映画などと違い、基本、ユーザーはストーリーを見直したりはしません。
ほとんどが1度読んで終わりになるでしょう。

そのことで起こる弊害としては、ユーザーが内容を覚えているとは限らないというところです。
リリースの間隔にもよりますが、数か月単位でリリースの場合、ユーザーは結構内容を忘れていることが多いです。

また、上でも書きましたが、あくまでメインはゲームです。
シナリオがメインというわけではないので、さらに内容を覚えてもらえる確率は低くなっています。
ですので、複雑な伏線はユーザーに伝わりにくいという側面があります。
満を持して、盛大な伏線を回収したシーンを出しても「あれ? そういう伏線あったっけ?」となってしまいます。
伏線回収をする場合は、伏線を張ったシーンを回想などで、改めて出したほうがよいでしょう。

素材が必要

これも他の作品とは異質な部分でしょう。
ゲームは思ったよりも多くの素材が必要となります。
キャラクターのイラストはもちろん、表情差分、感情エフェクト、背景イラスト、SE、ボイスなどです。
それらの素材があるのか、または作れるのかを確認した上で、シナリオを書くようにしましょう。

勝手にノリで素材を多く使うシナリオを書いてしまうと、多くの部署から総攻撃を食らうことになります。
十分、注意しましょう。

仕様は絶対に把握する

ストーリーパートのADVがどのような仕様になっているかも注意です。
仕様によっては表現できない描写や、逆に文章で説明しなくても表現できるところもあったります。
シナリオを書く際には必ず、ADVの仕様を確認しておいてください。
最悪、全部書き直しになる可能性も高いです。
一行が何文字なのか、何行まで書けるのかなどはゲームの仕様ごとで全然違います。
また、ルールとして句読点の付け方(最後に。をつけるか、つけないかなど)や三点リーダーの付け方を決めておくとよいでしょう。
三点リーダーは書き慣れている人なら二つセットの方が書きやすいかと思いますが、ゲームでは見栄えなども考えて、一つの場合も多いです。
そのあたりも、考慮して決めましょう。

まとめ

ゲームは総合作品です。
ライター一人で作り上げるものではありません。
他の部分を担当する人たちとちゃんと話し合った上で書く必要があります。

各署の人たちと協力すれば、きっと良いものができるでしょう。

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それでは今回はこのへんで。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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