箱書きの使い方について

シナリオライター編

当サイトでも、何度か箱書きについて書きましたが、今回は実際にどうやって使っていくかを書いていきたいと思います。

箱書きはシナリオの用語なので、ゲームシナリオや小説を書いている場合はあまり聞いたことがないかもしれません。

ですが、この箱書きは構成をする際に、ゲームでも使える技法になります。

逆に、ゲームシナリオはゲーム仕様によって、区切りが多いシナリオになりますので、箱書きが使いやすいと思います。

では、この箱書きとはなんなのかを解説していきたいと思います。

最初に結論を言うと、箱書きというのは物語の流れをブロックごとに書き出したものになります。

ブロックごとに書き出すことで、ストーリーの流れを可視化できるというわけです。

昔のシナリオライターは1つのブロックを1枚の紙に書いて並べていたそうです。

この1枚の紙を箱と見立てたことで、「箱書き」と呼ばれるようになったそうです。

そして、この箱書きには「大箱」「中箱」「小箱」と3種類があります。

この区分は、どれだけ詳細にブロックをわけていくかになります。

箱書きの種類

大箱は起承転結くらいの大きな区分の箱書きになります。

大箱はプロットがあるなら、特に作成しなくてもよいです。

逆にプロットを書く際に、大まかな流れがイメージできてないときは、先に大箱を作ってもよいでしょう。

中箱は大箱よりも、もう少し細分化した箱書きになります。

イメージ的には一つの箱は一連の出来事で括る形になります。

例えば、「AがBと喧嘩する」というくらいの括りです。

そして、小箱は1シーンずつ箱にする形式になります。

中箱との差としては、中箱は「AがBと喧嘩する」が一つの箱になりますが、小箱はもっと細かく、「Aが、BがAの悪口を言っているのを目撃する」「AがBを問い詰める」という感じで、シーンずつに括る方式です。

ただ、この大箱、中箱、小箱の形式に決まりはないので、やりやすい形でやってみるとよいでしょう。

また、大箱、中箱、小箱を全部作る必要はありません。

構成を整理したい状況によって、使い分けるといいでしょう。

箱書きの使い方

箱書きはストーリーの流れを可視化することで、構成し直すために使います。

その性質上、実際に紙に書いて並べるのが一番見やすいでしょう。

紙の方が入れ替えやすいですし、第三者視点で見やすいです。

※本来は第三者と一緒に見直すのが一番効果が高いです。

ただ、わざわざ紙を用意するのも、手で書くのが面倒という場合はパソコン上で行っても構いません。

ですが、俯瞰して見たり、入れ替えたりするので、ワードでやるには向いていません。

ブロックごとをカットして貼り付けたりしていると、返って混乱したり、下手をすると、ブロックごと消える恐れもあります。

なので、エクセルでやることをお勧めします。

1セルを1ブロックとして使うという方法です。

もちろん、もっと箱書きに向いているソフトがあれば、そちらを使っていただいて構いません。

大事なのは自分でやりやすいか、になりますので。

また、箱書きを書く際に注意して欲しいのが、箱の中には行動と『キャラクターの心理』も書いておくといいでしょう。

行動の流れと同時に、キャラクターの心の動きも一目で見られるようにしておくと、シーンを入れ替える際に、心の動きに生じた矛盾も修正できます。

ただ、心情も詳しく描く必要はありません。

AがBに怒りを覚える、AがBに対して殺意を抱く、といった感じの簡易的なもので構いません。

そして、実際に箱書きを使う際ですが、AというシーンはBというシーンの後ろに持ってきた方が、より「面白くなりそう」だから入れ替えるという形で使います。

または、ブロックごとに並べた際に、AというシーンとBというシーンがほぼ同じことをしているので、AとBのシーンを1つのシーンにする、という感じで使います。

あとは、ブロックの中の要素を分解しても良いです。

AがBに怒りを覚えるシーンを、こっちのシーンの中でやるという感じですね。

そして、完成したらもう一度、俯瞰して見て、行動の矛盾や心情の流れの矛盾などがないかを確認します。

ここで問題なければ、実際に小説に書き起こしていっても、詰まることはないでしょう。

ただ、ここでも注意点があります。

箱書きが完成して、いざ、小説に書き起こしていくとします。

そのなかで実際に書いていくと、「このキャラはここではこんな動きをしない」というのが出てくると思います。

ブロックごとで作っていても、実際に小説にした際にはよりキャラクターとして描いていくので、細かい部分の心情の変化が想定と違うと感じることがあるでしょう。

または、こっちの行動の方が面白くなるんじゃないかと閃くときがあるでしょう。

そんなときは、箱書きにこだわる必要はありません。

良いと思った方に変更していくといいでしょう。

その際に、再度、箱書きを調整してもいいですし、行き詰ったら箱書きで整理するという使い方でもよいでしょう。

まとめとして

箱書きは実際の行動の流れやキャラの心情の流れを可視化し、構成するための技法です。

やり方自体は決まっていないので、自分のやりやすい方法でやってみるといいでしょう。

ブロック化して俯瞰することで、冷静な目で見れるという利点があります。

ぜひ、使ってみることをお勧めします。

それでは今回はこの辺で。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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