プロが教えるフレーバーテキストの書き方!守るべき6つのルール

シナリオライター編

今回はフレーバーテキストの書き方執筆編です。

内容はフレーバーテキストの書き方下準備編の続きになります。
まだ、そちらの記事を読んでいない場合は、
是非、読んでから、この記事を見てください。

シナリオライター必見!プロが教えるフレーバーテキストの書き方(下準備編)

キャラの特性を掴む

当然ですが、まずはフレーバーテキストを書くキャラの特徴を掴みましょう。

例えば「ONE PIECE」の「ナミ」を例にしてみます。

ナミの特徴と言えば、
明るい、お金に汚い、突っ込み役、すぐに手が出る、みかんを育てている
すぐに怒る、実は人情深い・・・etc
色々ありますね。
※ただし、この情報は大抵『キャラ設定書』という資料に書かれています。
自分で考えるということはあまりありません。
(たまに、イラストだけ送ってくるところもあります・・・)

個性が出ていないのはNG

実は外注のライターさんで結構いたりします。

無個性で変哲もない、空気みたいな台詞です。

例えば「朝にマイページに遷移したときの台詞」の項目で

「おはよう! 今日も一日よろしくね!」

というような台詞が当てはまります。

確かに上の台詞はナミでも言いそうです。
ですが、ビビやケイミ―、コアラあたりでも言いそうです。

この「誰にでも当てはまりそうな台詞」というのがダメです。
考えてみてください。
ユーザーとしてこんな台詞をわざわざ見たいと思いますか?
※ボイスが入っていれば聞きたいと言うユーザーもいるかもしれませんが。

あくまでユーザーが見たいのはナミが話す台詞であって、
誰が話してもいい台詞ではありません。

つまり企業側もナミしか話さないような台詞を求めています。

ですが、ライターさん側は「大量」のフレーバーを書かなくてはいけないので
ネタが枯渇し、こういう台詞を苦し紛れに書いてしまいます。
※フレーバーテキストは単価が安いので大量発注することが多いです。
ライターさんとしても大量に受注しないとコスパが悪いというわけです。

こういう台詞を書いた場合はリテイクとなります。
ただし、リテイクになればまだいいほうです。
OKを出して、社内にいるライターが書き直すという場合も多いです。

そうなった場合は十中八九、次の依頼はなくなります。
本人としては一発でOKだったのに、なぜ?と思うでしょうが、
現実は怖いものです。

では、実際キャラの個性を活かすには、どう書けばいいのでしょうか?

ここで上で挙げたキャラの特徴に注目します。
『金に汚い』という部分をピックアップしてみます。
それにフレーバーの項目である『朝』という要素を混ぜます。

「朝=朝ごはん」と連想したとします。
それに『金に汚い』を混ぜます。

「朝ごはん、まだでしょ? 作ってあげるわよ。……50万ベリーで!」

どうでしょう?
少しはナミの台詞に近づいたのではないでしょうか?
※実際こういうシーンが本編にもありますし。。。

今度は『みかんを育てている』という部分に注目してみましょう。

「んー! やっぱり朝はミカンにかぎるわ!」

どうでしょう?
・・・ちょっと微妙かもしれませんが、
最初の「今日も一日よろしくね」よりは、キャラに寄ってるのではないでしょうか。

こうやって、キャラの要素から広げて台詞を作っていってください。
ここはインスピレーションです。
あとは慣れもありますので、書き慣れないうちでも頑張ってみてください。

最初で慣れていない場合は、まずは要素を書き出してみてください。
あとは、その設定を絡めつつ、このキャラは「こんなことを言うだろう」と
小説やシナリオの台詞を書く時のように、状況に合わせて考えてください。

目指すべきところは、フレーバー単体の台詞のみで
ユーザーを楽しませることです。

漫画でよくある、印象的な台詞が作ることを目標にしてみてください。

ルールは事前にチェックしておく

これは下準備編でも書きましたが、どのプロジェクトにも独自のルールがあります。

どのくらい設定をつけ足してもいいのかや他のキャラのことを出してもいいのか
などなど、事前に確認しておきましょう。

ある程度、設定も盛っていいということもあるので、
そうなった場合は幅が広がるので書きやすくなると思います。

誤字脱字はかなりの減点

納品する前に必ず読み返してください。
意外と書き終ってそのまま提出するライターさんが多いです。
所感ですが半分以上の方は、恐らく見直ししていません。

これは本当に勿体ないです。

ライターさん側から見たら、
誤字脱字くらいチェック時に直してくれよ
と思うかもしれません。

ですが、この作業は意外に「面倒」なんです。
しかも、チェックやデバックをすり抜けてリリースされてしまい、
ユーザーに突っ込まれるなんてことがあれば、
テキスト発注者が怒られるわけです。

するとどうでしょうか。
人間の真理として、誤字脱字が多いライターさんを使い続けるでしょうか?

70点の内容の台詞を書き、誤字脱字が全くないライターさんと
100点の内容だけど、誤字脱字だらけのライターさんでは
恐らく前者のライターさんを使う人が多いと思います。
※有名なライターさんであれば別ですが。。。

せっかくいい台詞を書くのに、見直しをしないだけで
随分と仕事を失っているライターさんも多いのではないでしょうか。

中にはキャラの一人称がバラバラなんてこともあったりします。
1ページ目では「私」と言っているのに、
2ページ目では「あたし」と書かれている
というのも実際にありました。

かなり心証は悪くなるので、気を付けましょう。

提出する前にルールも確認

誤字脱字もそうですが、独自のルールを破ってしまうのもマイナスです。

下準備編でも書いたように文頭文末禁則などもありますので、
ちゃんと規則違反をしていないかの確認もしておきましょう。

また、ルールによって「書けない」ことも出てきます。

例えばですが、イラストの立ち絵では目ぱち(まばたき)がないので
目を閉じているような台詞は避けてください、と言われる場合があります。

夜の台詞で、寝息を立てているなんて状況を書いても
NGでリテイクということもあります。

この辺は本当に案件、というか監修者の好みによります。
聞けるのであれば、事前に聞いておきましょう。

あと、多いのが「漢字のひらき」に関することです。
特定の漢字はひらく、など決まっているプロジェクトもあります。

例えば、「ため」は「為」と漢字にするのか、開くのかなど。

ただし、この漢字のひらきの一覧はないことが多いです。
大抵はリテイクや、内部で修正する際に直すことになります。

ですが、ライターさんに気を付けていただきたいところは
「統一する」ことです。
1ページ目では「ため」と漢字を開いているのに、
2ページ目では「為」と漢字になっていることがあります。

発注者側からルールがないと言われたとしても、
必ず書くときには統一しましょう。

納期は絶対に守る

当たり前ですね。
当たり前なんですが・・・

できないライターさんも結構います!

受注した当初は張り切って納品日の前に提出してくれる方も多いです。
ですが、慣れ始めると途端に崩れる方もいるのが現状です。

私も受注側の経験があるのでわかるのですが、
慣れてくると「最速の執筆時間」で計算を始めてしまいます。

「あのときは5時間で書けたから、1キャラ5時間で計算して・・・」

このような思考になり、逆算して、この日から書き始めればいいとなります。
そして、実際書き始めると、計算が狂います。
それはそうですよね。最速での時間で計算しているので。

それでも残った時間でなんとか仕上げようとします。
焦りからか、上で書いた「無個性の台詞」が量産されていくというわけです。

これでもまだ、終わるだけいいです。
しまいには書き終らず、納品できないという事態になります。

ギリギリまで粘るため、
その当日に「すいません。提出できません」と送るはめになるというわけです。

これも発注側から気持ちで考えてみてください。
提出日当日に「できませんでした」というメールを見たときの絶望感。
もし、リリースが近かったら?
もし、ボイスを収録するためのスタジオを抑えていたら?

ゲームの場合は小説とは違い、テキストの影響範囲が大きい場合が多いです。
意外と、テキストは早くほしかったりします。
※テキストは上流工程なので。
テキストを基盤にボイスの台本を作ったり、スクリプトを組んだりするので。

下手をすると、テキストが揃わないため、キャラのリリースが伸びたり、
最悪、イベントも延期になったりします。
フレーバーテキストは案外軽く見られがちですが、かなり重要な部分になります。

逆に納品日よりも早く提出するライターさんはかなり重宝されます。
上の例のように
60点の内容で安定して納品日より前に提出するライターさんと
100点の内容だが、ちょいちょち納品が遅れるライターさん
どちらを使うかとなれば、やはり前者のライターさんを使う人が多いでしょう。

なによりゲーム(ソーシャル)はスピードが命です。
イベント1つ消えると大損害がでる世界です。
そう考えると多少は内容より、安全をとるというのも頷けますね。

最低限として、どうしてもテキストが間に合わないと言う場合は
間に合わないと分かった時点で連絡しましょう。
前もって連絡しておけば、何とかなる場合も多いです。

絶対にやってはいけないこととして、
無断で納品日をブッチすることです。

「なにも連絡もないし、明日シレッと出そう」

なんていうライターさんも普通にいます。
こちらが連絡して、初めて「納期が遅れます」と言い出す始末です。

これをすると十中八九、次の依頼はなくなります。
そして、その会社のブラックリストに入れらます。
そうなると、他のプロジェクトからも依頼は飛ばなくなるでしょう。

ここはライターとして、ではなく社会人としてやってはいけないルールです。

意外と大事な書類回り

フリーで依頼を受ける場合は当然、企業と契約を結ぶことになります。
その際、「見積書」や「請求書」など、ライターさん側から提出する書類が出てきます。

これも、遅れると色々面倒になります。
会社の場合、月々で締め日というのがあります。
その日までに間に合わない場合、事務処理が止まってしまうことがあります。

それぞれの会社にもよりますが、結構、面倒くさいことになる場合もあります。
これも、発注者が怒られることになるので、
書類関係の発送が遅いライターさんも敬遠されることが多いです。

まとめ

フレーバーの書き方、というよりは
フリーライターさんが気を付けることになってしまいました。。。

機会があれば、今度は発注者側の「監修の仕方」について書きたいと思います。

それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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