キャラクターの作り方 共感のさせ方を解説

シナリオライター編

どんなに素晴らしいストーリーでも、どんなに素敵なキャラクターでも、読者の共感を得られなければ読者は物語に没頭をしたりしません。

例えば、事故が起こったというニュースを聞いたとします。

そのときは精々、可愛そうだな、巻き込まれた人が無事であればいいなと思う程度でしょう。

ですが、それが知り合いや家族だったとしたらどうでしょうか?

一気にその事故が身近になり、すぐに知り合いや家族が無事かを確認し、どうしてそんな事故が起こったのかを知りたくなるでしょう。

これが「共感」の差になります。

つまり、共感を得られれば読者は、例えストーリーという創作の物語だったとしても、主人公と一緒に怒り、悲しみ、幸せにすることができます。

今回は、どうやって共感を得られるかを解説していきます。

最初に結論を書くと「どれだけ読者に身近にできるか」になります。

それでは詳細を解説しましょう。

設定の共通項を多くする

まず、人は自分と同じくくりのものに感情を移入します。

例えば、オリンピックですが、大抵の人は「日本」を応援するでしょう。

甲子園では、同じ都道府県の学校を応援するでしょう。

地区大会では自分の出身校を応援するでしょう。

これは「選手」に対しては何も知りませんが、とにかく自分と同じくくりのものに感情移入するということです。

漫画で考えると、少年誌の漫画では主人公は中学~高校生が多いですし、青年誌では20代~30代の主人公が多いです。

これは想定読者のペルソナに合わせてあります。

ペルソナについては下記の記事で解説していますので、是非、読んでみてください。

〈想定読者(ペルソナ)の作り方〉

あなたが想定するペルソナに合わせて、『設定』の段階で、できるだけ共通の部分を持たせるのです。

例えば、年齢、性別、立場、家族構成などなど、寄せられるところは寄せていくのです。

これは「なろう系」の「異世界転生」が流行っているのも、これを利用しています。

まず、元の主人公をペルソナに寄せます。

「なろう」の読者層は20代~30代となります。

なので、多くは「社会人」か「ニート」で社会人なら社畜で「自由な時間がない」、ニートであれば「冴えない毎日」という設定であるのは、想定読者をそこに持ってきているからでしょう。

そして、「元の主人公」に対して、共通項を作り「感情移入させてから」、異世界へと転生します。

転生した先では「若くて格好いい」姿になっていることが多いですね。

これは「感情移入させてから変化」するので、読者は自分も「若くて格好いい姿になった」と感情移入できるわけです。

その主人公が「ハーレム」状態になるので、読者も幸せを感じられるわけです。

これを最初から「若くて格好いい主人公」だったらどうでしょうか?

「いや、それはイケメンだからモテるんでしょ」「俺とは違うから」ということで、逆に感情移入とは遠ざかってしまいます。

昔からラノベの主人公は「一般的な高校生」であることが多かったのも、共感を得るための設定だったわけです。

そして、「性格」でも寄せていくというのがいいでしょう。

設定だけではなく、「性格」でも似ている部分があれば、より読者は感情移入しやすくなります。

ひと昔前、「厨二病」の主人公が流行ったのも、厨二病の読者に感情移入してほしいと狙ったからになります。

「オタク」というのもそうですね。

以前は、「厨二」も「オタク」もマイナスの感情に思われた時代があったのですが、それを小説の中で認め、そんな主人公がモテるという流れが、その当時の「厨二」と「オタク」に受けたというわけですね。

今は、「厨二」も「オタク」もマイナス感情を受ける人も少なくなり、大抵の人は少しながら「厨二」や「オタク」の部分を持っていることを自覚しています。

こういう点を含めて、「今はどんなことに負い目を持っている人がいるだろう」と考えてみるのをお勧めします。

それを見つけ、それを主人公にして、小説で認め、活躍すれば読者も同じく嬉しさを感じることができるでしょう。

キャラクターを身近にする

読者と共通の設定や性格をもったキャラクターを作ることができたとしましょう。

ですが、これではまだ「共感」は足りません。

例えば、同じクラスや同じ部署の人に平等に感情移入するでしょうか?

逆に言うとあまり話したことのない人と親友が事故に巻き込まれたとき、どちらに対して感情を移入するでしょうか?

もちろん、親友ですよね。

このように、主人公と読者を「親友」のような状態に持って行く必要があります。

では、親友にするにはどうすればいいのかというと、主人公のシーンを多く描くことです。

つまり、主人公と読者が一緒にいる時間を増やすことです。

一人称で書いてある小説であれば、全てが主人公目線で語られるので、やりやすいです。

ですが、例え、主人公のシーンを多く描くといっても、朝に起きてから寝るまでを描くというのではいけません。

他人の日記を見ても面白くないのと一緒で、淡々と生活を描くのではいけません。

ではどうするかというと、「感情が揺さぶられるシーン」を多く描くのです。

設定や性格で、主人公と読者は近づいているので、そこに感情を揺さぶれば、読者の感情も一緒に揺さぶられ、感情移入していくわけです。

ここで注意点があります。

感情を揺さぶるシーンを描いた際に、主人公の行動にも「注意」を払ってください。

例えば、せっかく感情を揺さぶったシーンを描いていても、「サイコパス」がとるような行動をとった場合、読者は一気に「自分とは違う」となり、離れていきます。

なので、読者が「こうして欲しい」と思っている行動を取る必要があります。

ここがポイントです。

読者が「実際に取るであろう行動」ではありません。

読者が「とって欲しい行動」をさせなければなりません。

例えば、女の子が悪そうな男に絡まれていたとします。

実際の世界では「助けよう」と行動に移せる人はあまりいません。

ですが、そこを助けるという行動を、物語で「読みたい」わけです。

そのためにあなたの作品を「読んでいる」わけです。

ただ、必ずしも「助ける」という流れにする必要はありません。

例えば、「そのとき」は「助けられずに逃げた」とします。

ですが、物語を通じて「助ける勇気や強さ」を持つことで、次は「助ける」という成長を描く流れでもいいわけです。

この、最初は逃げるという行動も「読者と同じ行動」ということで、より感情移入させることができます。

なので「最終的には」読者の希望する行動を「することができる」という形になっていればいいわけです。

最後まで「逃げっぱなし」ではいけません。

このように、共感した主人公がピンチになれば、主人公を応援しますし、主人公がモテれば、自分も嬉しくなりますし、大きな壁を乗り越えれば、自分も成長できたように感じるわけです。

物語はどれだけ主人公にどれだけ読者の「共感」を得られるかにかかっています。

そのためには、しっかりと想定読者であるペルソナを設定しなければなりません。

読者の共感を得られる主人公で、物語に没頭させましょう。

それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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