小説の書き方 キャラクターが勝手に動き出すためには

シナリオライター編
小説の作者のコメント欄で「キャラクターが勝手に動き出した」という話を見たことはないでしょうか? よく考えてみたら、小説は全て自分の頭の中で創り出していくものです。 それが勝手に動き出すということはあり得るのか、と疑問に思うはずです。 一度、経験してみると何となく、感覚がわかると思いますが、まだそんな状況になったことがない、もしくはしばらくそんな状態になっていないなんていう場合は、この記事を最後まで読んでいただければ、「キャラが勝手に動き出す」という感覚を味わえるようになるはずです。 今回は「キャラクターが勝手に動き出す」ということが、どういうことかと、実際にどうしたら「キャラクターが勝手に動き出すようになる」のかを解説していきます。 最初に結論を書くと、「キャラクターに最善策をとらせる」です。 では、詳細を解説していきましょう。

必ずしも良いことだけではない

最初に注意していただきたいのですが、「キャラクターが勝手に動き出す」という状況は必ずしも良いというわけではありません。 「キャラクターが勝手に動き出す」状態にはメリットとデメリットがあります。 では、最初にメリットを書いていきます。 まずは「キャラクターに勢いが出る」です。 キャラクターが勝手に動き出すということは、そのキャラクターの性格が全面に出て、キャラクターに強さや味が出てきます。 これは良くも悪くも、読者にも印象を与えることができます。 もう一つは物語が予想外の方向へ進んで行く、ということです。 これは、最初に考えていた流れ、つまりプロットの流れから変化が起きるということです。 この状態は作者さえも意図していなかったので、当然、読者も同じ感覚に陥ります。 つまり、「先が見えない」展開になり、作者も読者も「ワクワク」する展開になります。 この2点が「キャラクターが勝手に動く」ことによるメリットになります。 では、次にデメリットになります。 それは、メリットの方にも影響するのですが、「ストーリーが暴走する」ことです。 「先が見えない」ということは、予想が付かないので「ワクワク」するのですが、その反面、「着地点が見えなくなる」ということです。 下手をすると今まで仕込んでいた伏線などが一気に吹っ飛ぶということにもなりかねません。 さらに、着地点があらぬ方向に行ってしまい、収集が付かなくなり、「変なラストになる」可能性が出てきます。 つまり、ストーリー自体に軌道修正が必要になります。 そして、その軌道修正をすることによって、本来、あなたが「伝えたかったもの」が「変わってしまう」という危険性もあることも、必ず考慮してください。 ですので、「キャラクターが勝手に動き出した」からといって喜んでばかりはいられません。 もし、物語の「軸」がブレてしまった場合は、「キャラクターが勝手に動き出したシーン」は丸々カットして、書き直したほうがよいということも十分あり得ます。 新人賞の締め切りが迫っている場合や連載が走っている場合などの「時間との勝負」のときに「キャラクターが勝手に動き出す」とデメリットになる可能性があることも、十分考慮に入れて置いてください。

キャラクターに最善策をとらせる

これはモブキャラの作り方でも書きましたが、キャラクターは一人の人間です。 人間は「得なること」か「必要なこと」以外に関しては動きません。 ※モブキャラの作り方については、下記の記事に書いてますので読んでない方は是非、参考にしてください。 〈モブキャラクターの作り方 モブキャラも一人の人間〉 ここで、重要なのが、「そのキャラにとって最善策」をとることです。 ここを作者や一般的な常識に当てはめた「最善策」ではいけません。 ONE PIECEのゾロを例に考えてみましょう。 ゾロは極端な「方向音痴」です。 それは周りが驚くほどの「方向音痴」です。 一人で歩けば、必ず迷ってしまいます。 普通は「必ず誰かと一緒に行動すべき」です。 ですが、ゾロは自分が方向音痴と強く認識していないので「気にせず、一人で行動」します。 そして、迷います。 次にドラゴンボールのベジータを例に考えてみましょう。 セルとの戦いのとき、ベジータは第一形態のセルを圧倒します。 普通に考えた場合、「最善策はさっさとセルに止めを刺す」ことです。 ですが、ベジータの中の最善策は「完全体になったセリをも圧倒する」ことです。 ですので、敵であるセルを手伝い、完全体にさせようとします。 これが、キャラクターの中の「最善策」をとるという形になります。 では、どうすればそのキャラクターに最善策をとらせることができるのでしょうか? それは完璧に「性格を把握する」ことです。 こんな場合は「どういう行動をするのか」がイメージできるようにしておくのです。 以前、キャラクターの作り方の中で、設定は「性格に必要な部分のみ」設定すると書きました。 ※キャラクターの作り方については下記を参考にしてください。 〈キャラクターの簡単な作り方について〉 それはつまり、「性格は完璧に作り上げる」ということになります。 そして、プロットを作る際に、大まかな流れの中で、そのキャラクターがどう動きそうかも考えつつ、ストーリー展開を考えていきます。 ですが、いざ、実際に小説として書いていくと、プロットでは想定していなかった、細かい部分のシーンを書く必要が出てきます。 その中で、「あれ? このキャラクターなら、この状況ならこうするんじゃないのか?」という部分が出てきます。 例えば、プロットでは「敵のボスを真っすぐ倒しに行く」となっていたところ、実際にそのシーンを書いていると、敵に苦しめられている人の描写が出て来たとします。 その場合、果たして主人公はそのまま進むのか?となります。 「いや、こういう場合は主人公はその人を助けるはずだ」となり、助ける流れになります。 これが「キャラクターが勝手に動き出した」というものになります。 プロットの段階では想定していなかったけれど、実際のシーンを書いた際に、「このキャラクターなら、こう動くはずだ」となった場合に、キャラクターが意図しない動きをするので、「勝手に動き出した」という感覚になるわけです。 そして、もし、主人公が困っている人を助けた場合、敵のボスに「自分の所に向かっていることがバレてしまう」ということになります。 すると今度は「果たして、ボスは自分の所に主人公が向かって来ているのに、何も対策を練らずにただ待っているのか?」「いや、ボスなら、必ず何か罠を仕掛けるはずだ」と連鎖して、物語が意図しない方向に動き出していくというわけです。 これは上でも書いたように、メリットでもあり、デメリットでもあります。 こうなるためには、やはり「キャラクターの性格を掴んでおく」必要があります。 そして、「このキャラクターは本来こういうことはしないだろうけど、プロットの流れではこうなっているから、こうしよう」なんてことをしてしまうと、「キャラがブレ」て「ご都合主義」に陥っていくことになります。 なので、もし「キャラクターが勝手に動き出した」場合は、無視してはいけません。 もう一度、「プロットの方を見直すべき」です。 キャラが勝手に動き出したままの方向でストーリーを進めるのか、そもそも、巻き戻して、キャラがその状況にならないように展開を変える必要があります。 これは着地点を踏まえて考えるべきです。 「ヘタッピマンガ研究所R」内での、冨樫義博先生のコメントの中でも、「キャラクター達に頭の中で掛け合いをさせて、もし、自分の意図した方向にいかないのであれば、そのシーンは没にする」と言っています。
絶対にキャラクターの性格を捻じ曲げて、ストーリーを進めてはいけません。

キャラクターが勝手に動かなくてもいい作品はできる

ここで注意点を書いておきます。 書いていて、「キャラクターが勝手に動くことがない」という方もいます。 だからといって落ち込む必要は全くありません。 それはストーリーの「作り方が違う」だけです。 ストーリーの作り方は人それぞれで、キャラクターから作る人もいれば、ストーリーの流れから作る人もいます。 後者の「ストーリーの流れから作る人」の場合は、割と「キャラクターが勝手に動くこと」は少ないです。 なぜなら「ストーリーに合わせてキャラクターを作る」からです。 そのストーリーに合わせた形で、しっかりとキャラクターを作るので、そもそもストーリーの流れから「外れることがない」のです。 これは「短編」や「単巻」の作品の場合はよくあることです。 最初から最後まで流れに沿って動かせるようにキャラクターを造形していくからです。 つまり、設計書を完璧に作り上げるパターンです。 この場合はストーリーとして完成されているので、「キャラクターが勝手に動かない」と悲観する必要はありません。 もし、勝手に動き出した場合は、「キャラクター設定や性格」が合っていなかったことになります。 とはいえ、「キャラクターが勝手に動く」場合と比べては「キャラクターの強さ」は薄く感じるかもしれません。 ですが、「ストーリーに主軸」を置いた作品であるなら、それでいいのです。 いかがだったでしょうか。 「ストーリー型」の作品だとしても「キャラクター重視」の作品でも、必ずキャラクターの性格は把握する必要があります。 その上で「キャラクターが勝手に動いた場合」は、必ずキャラクターの声に耳を傾けてください。 それでは今回はこの辺で。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 もう一つは物語が予想外の方向へ進んで行く、ということです。 これは、最初に考えていた流れ、つまりプロットの流れから変化が起きるということです。 この状態は作者さえも意図していなかったので、当然、読者も同じ感覚に陥ります。 つまり、「先が見えない」展開になり、作者も読者も「ワクワク」する展開になります。 この2点が「キャラクターが勝手に動く」ことによるメリットになります。 では、次にデメリットになります。 それは、メリットの方にも影響するのですが、「ストーリーが暴走する」ことです。 「先が見えない」ということは、予想が付かないので「ワクワク」するのですが、その反面、「着地点が見えなくなる」ということです。 下手をすると今まで仕込んでいた伏線などが一気に吹っ飛ぶということにもなりかねません。 さらに、着地点があらぬ方向に行ってしまい、収集が付かなくなり、「変なラストになる」可能性が出てきます。 つまり、ストーリー自体に軌道修正が必要になります。 そして、その軌道修正をすることによって、本来、あなたが「伝えたかったもの」が「変わってしまう」という危険性もあることも、必ず考慮してください。 ですので、「キャラクターが勝手に動き出した」からといって喜んでばかりはいられません。 もし、物語の「軸」がブレてしまった場合は、「キャラクターが勝手に動き出したシーン」は丸々カットして、書き直したほうがよいということも十分あり得ます。 新人賞の締め切りが迫っている場合や連載が走っている場合などの「時間との勝負」のときに「キャラクターが勝手に動き出す」とデメリットになる可能性があることも、十分考慮に入れて置いてください。

キャラクターに最善策をとらせる

これはモブキャラの作り方でも書きましたが、キャラクターは一人の人間です。 人間は「得なること」か「必要なこと」以外に関しては動きません。 ここで、重要なのが、「そのキャラにとって最善策」をとることです。 ここを作者や一般的な常識に当てはめた「最善策」ではいけません。 ONE PIECEのゾロを例に考えてみましょう。 ゾロは極端な「方向音痴」です。 それは周りが驚くほどの「方向音痴」です。 一人で歩けば、必ず迷ってしまいます。 普通は「必ず誰かと一緒に行動すべき」です。 ですが、ゾロは自分が方向音痴と強く認識していないので「気にせず、一人で行動」します。 そして、迷います。 次にドラゴンボールのベジータを例に考えてみましょう。 セルとの戦いのとき、ベジータは第一形態のセルを圧倒します。 普通に考えた場合、「最善策はさっさとセルに止めを刺す」ことです。 ですが、ベジータの中の最善策は「完全体になったセリをも圧倒する」ことです。 ですので、敵であるセルを手伝い、完全体にさせようとします。 これが、キャラクターの中の「最善策」をとるという形になります。 では、どうすればそのキャラクターに最善策をとらせることができるのでしょうか? それは完璧に「性格を把握する」ことです。 こんな場合は「どういう行動をするのか」がイメージできるようにしておくのです。 以前、キャラクターの作り方の中で、設定は「性格に必要な部分のみ」設定すると書きました。 それはつまり、「性格は完璧に作り上げる」ということになります。 そして、プロットを作る際に、大まかな流れの中で、そのキャラクターがどう動きそうかも考えつつ、ストーリー展開を考えていきます。 ですが、いざ、実際に小説として書いていくと、プロットでは想定していなかった、細かい部分のシーンを書く必要が出てきます。 その中で、「あれ? このキャラクターなら、この状況ならこうするんじゃないのか?」という部分が出てきます。 例えば、プロットでは「敵のボスを真っすぐ倒しに行く」となっていたところ、実際にそのシーンを書いていると、敵に苦しめられている人の描写が出て来たとします。 その場合、果たして主人公はそのまま進むのか?となります。 「いや、こういう場合は主人公はその人を助けるはずだ」となり、助ける流れになります。 これが「キャラクターが勝手に動き出した」というものになります。 プロットの段階では想定していなかったけれど、実際のシーンを書いた際に、「このキャラクターなら、こう動くはずだ」となった場合に、キャラクターが意図しない動きをするので、「勝手に動き出した」という感覚になるわけです。 そして、もし、主人公が困っている人を助けた場合、敵のボスに「自分の所に向かっていることがバレてしまう」ということになります。 すると今度は「果たして、ボスは自分の所に主人公が向かって来ているのに、何も対策を練らずにただ待っているのか?」「いや、ボスなら、必ず何か罠を仕掛けるはずだ」と連鎖して、物語が意図しない方向に動き出していくというわけです。 これは上でも書いたように、メリットでもあり、デメリットでもあります。 こうなるためには、やはり「キャラクターの性格を掴んでおく」必要があります。 そして、「このキャラクターは本来こういうことはしないだろうけど、プロットの流れではこうなっているから、こうしよう」なんてことをしてしまうと、「キャラがブレ」て「ご都合主義」に陥っていくことになります。 なので、もし「キャラクターが勝手に動き出した」場合は、無視してはいけません。 もう一度、「プロットの方を見直すべき」です。 キャラが勝手に動き出したままの方向でストーリーを進めるのか、そもそも、巻き戻して、キャラがその状況にならないように展開を変える必要があります。 これは着地点を踏まえて考えるべきです。 「ヘタッピマンガ研究所R」内での、冨樫義博先生のコメントの中でも、「キャラクター達に頭の中で掛け合いをさせて、もし、自分の意図した方向にいかないのであれば、そのシーンは没にする」と言っています。
絶対にキャラクターの性格を捻じ曲げて、ストーリーを進めてはいけません。

キャラクターが勝手に動かなくてもいい作品はできる

ここで注意点を書いておきます。 書いていて、「キャラクターが勝手に動くことがない」という方もいます。 だからといって落ち込む必要は全くありません。 それはストーリーの「作り方が違う」だけです。 ストーリーの作り方は人それぞれで、キャラクターから作る人もいれば、ストーリーの流れから作る人もいます。 後者の「ストーリーの流れから作る人」の場合は、割と「キャラクターが勝手に動くこと」は少ないです。 なぜなら「ストーリーに合わせてキャラクターを作る」からです。 そのストーリーに合わせた形で、しっかりとキャラクターを作るので、そもそもストーリーの流れから「外れることがない」のです。 これは「短編」や「単巻」の作品の場合はよくあることです。 最初から最後まで流れに沿って動かせるようにキャラクターを造形していくからです。 つまり、設計書を完璧に作り上げるパターンです。 この場合はストーリーとして完成されているので、「キャラクターが勝手に動かない」と悲観する必要はありません。 もし、勝手に動き出した場合は、「キャラクター設定や性格」が合っていなかったことになります。 とはいえ、「キャラクターが勝手に動く」場合と比べては「キャラクターの強さ」は薄く感じるかもしれません。 ですが、「ストーリーに主軸」を置いた作品であるなら、それでいいのです。 いかがだったでしょうか。 「ストーリー型」の作品だとしても「キャラクター重視」の作品でも、必ずキャラクターの性格は把握する必要があります。 その上で「キャラクターが勝手に動いた場合」は、必ずキャラクターの声に耳を傾けてください。 それでは今回はこの辺で。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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