作品を作ったら誰かに見てもらいたいと思うのは当然ですね。
そもそも作品は誰かに見てもらうために作るということが目的ではないでしょうか。
作品を作って誰かに見てもらって感想をもらう。
そして、その感想を活かして作品をもっと良くする、次の作品に活かしていくのがモノづくりの上達方法です。
ですが、ここで注意があります。
感想をもらい、それを活かす場合は何でもかんでも意見を取り入れてはいけません。
今回は感想のもらい方について解説していきます。
見てもらうべき人を選ぶ
感想を貰うときに、とりあえず友人に見てもらうなんてことはないでしょうか?
別に見てもらうことに問題はありません。
ですが、その意見を取り入れるかは考えなくてはなりません。
その友人の方がプロの漫画家やプロのシナリオライターであるなら問題はありません。
ですが、そうそうそんな人は周りにいないかと思います。
大体は、モノづくりに対しての「素人」ではないでしょうか。
素人が感想を言う場合は単に「好み」によって面白いか面白くないかの観点になります。
それは当然のことだと思います。
では、その観点での感想を取り入れた場合どうなるでしょうか?
その読んでくれた人の「好み」に近づく作品にはなるでしょう。
しかし、それが上達に繋がるかというと、必ずしもそうではありません。
例として他の分野に関して見てみましょう。
大工の見習いが練習で小屋を作ったとします。
その小屋の出来具合のチェックを、友人に見てもらうでしょうか?
そして、その友人の言うことを取り入れて直すでしょうか?
そもそも、建築の知識がない人が的確な指摘を出せるでしょうか?
小屋を作ったら「必ず」親方に見てもらうはずです。
水泳でもそうですね。
タイムに伸び悩んでいるときに、友人にアドバイスをもらいますか?
イラストレーターや声優もそうです。
必ずその道の先輩に助言をもらうはずです。
文章の場合は誰でも書ける、誰でも読めて感想を言えると思われがちです。
なので、文章に関しては「素人」に見てもらうことが多くなってしまうのでしょう。
書き慣れているという人にも注意
小説を書いているときによくある状況として、小説書き仲間の中で読んだり感想を言ったりする場合があります。
それが悪いというわけでは決してありません。
仲間がいるとモチベーションも上がり、仲間が頑張っていれば自分も頑張ろうとなります。
それに、感想を貰うにしても、あまり読まない人や書いたことがない人よりも的確なアドバイスをもらえるでしょう。
ですが、ここに罠も存在します。
状況としては「一緒に小説家を目指そう」という仲間が数人集まった場合に多いです。
仲間内で書いたものを読んで指摘し合います。
たしかに人に読んでもらうというのは大切です。
書き始めの場合は、どうしても他の人に読んでもらうもの、という意識が薄いからです。
ですが、それは本当に書き始めの部分での話です。
その仲間たちと2年以上書き続けていて、誰も状況が進んでいない場合は要注意です。
例えば、小説の賞に出してもずっと2次止まりの場合などです。
その場合はそのグループではもう得られる技術がないということになります。
例えば水泳で50mを40秒切りたいという状況で、40秒を切れていない人たちが集まって試行錯誤しているのと同じでしょう。
練習するので、いつかは越えられるかもしれませんが、効率は決して良くはないでしょう。
そういう場合は40秒を切っている人に助言を求めたほうがより効率的だと思いませんか?
また、怖いのが仲間意識が強くなりすぎてしまい、「気を使ってしまう」場合があります。
誰しも自分が書いたものを指摘されるのは面白くありません。
書き慣れている人はその気持ちが痛いほど「わかってしまう」のです。
感想を言う際や指摘する場合、どうしてもそれが頭をよぎります。
さらに指摘することで相手が気を悪くして、関係が壊れてしまうのではないかと恐れてしまいます。
そうなると「おざなり」の感想や指摘しかしなくなります。
そうなった状況で上達するでしょうか?
もし、本気でデビューやプロになりたい場合は考えてみる必要があるでしょう。
心を強く持つ必要がある
感想を貰うときは必ずしも自分が考えるようなことを言われるとは限りません。
時には厳しいことを言われることも多々あります。
そういう場合でも「なるほど、そういう考えもあるのか」という感じで受け止めつつも受け流す必要があります。
どんな作品でも世界中の人全員が面白いと思うものなどは存在しないのです。
絶大な人気を誇るワンピースやコナンも、読む人によって面白くないという感想を言う人が必ず存在します。
一々、そのことを気にしていては身が持ちません。
モノづくりの製作者はときに、図太い神経が必要なのです。
プロの世界でも、自分の作品が非難され、ツイッターなどで反論して炎上なんてこともあったりします。
ただ、視聴者や読者は作品を見て感想を言います。
たとえ、ツイッターなどで反論したところで、その評価は覆ることはありません。
すべては作品で説明しなければなりません。
あまり、この辺を突っ込むとブーメランになりかねないので、ここまでにしておきます。
逆に言うと、ファンも必ず存在します。
自分の作品を気に入ってくれたファンの為に作り続けていきましょう。
誰から感想をもらうべきか
餅は餅屋です。
やはり感想をもらうのも、その筋にプロフェッショナルにもらうのが一番いいでしょう。
プロは好みではなく、技術的な面や構成、構造の観点から見て指摘してくれます。
面白い、面白くない、こうしたほうがいいというものではなく、どうしたらより物語が良くなるかの助言をしてくれます。
中には書き直した方がいいと言われる場合や、そもそもこのネタ自体が使えないという場合もあるでしょう。
それはプロの世界でも往々にしてあることです。
だからこそ、プロットを作るのです。
話が逸れましたが、感想を貰うのはプロの人たちがいいでしょう。
ただし、簡単にプロの人に見てもらうことはできません。
ではどうしたらいいのでしょうか?
それは講座に通うという方法があります。
講座では必ず講師がいます。
そして、その講師はプロです。
作品を出せば必ず読んでもらえ、感想やアドバイスを貰えます。
中には、それだと金がかかるので嫌だと思う人がいるでしょう。
ですが、逆に考えてみてください。
プロに見てもらえるというのは、お金を払うほどの「価値」があるということです。
そんな価値がなければ、誰も講座なんかに通いませんし、その商売が成り立ちません。
だからこそ、講座側も「価値がある」講師を用意しているのです。
スポーツの世界でも同じでしょう。
一流の選手は一流のコーチに練習を見てもらっています。
本気でその道を目指すのであれば、自分に投資するのも大事です。
というより、自分に投資できない人がプロになれるでしょうか?
どちらにしても、お金か時間を投資しなくてはプロへの道は開けません。
どちらの投資が自分に合っているかを考え、道を進んでいきましょう。
ここで一点注意があります。
講座にはプロがいるからといって、どの講座でもいいというわけではありません。
「必ず」自分に合った講師がいる講座に通うようにしましょう。
そのあたりについてはこちらの記事にも書いていますので、是非、合わせて読んでみてください。
シナリオ講座や小説学校の選び方のコツ
いかがだったでしょうか?
以上が、小説の感想のもらい方の注意点になります。
少しでもあなたの参考になっていただければ幸いです。
それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。