【ストーリーの作り方】設定の説得力の持たせ方

シナリオライター編
小説というのは「創作」のお話です。 ストーリーはもちろん、キャラクターや世界さえも作り出せるというのが創作の醍醐味と言えるでしょう。 ですが、創作をしている中で、「設定」や「世界観」が嘘くさいと言われたことはないでしょうか。 そして、そこで「創作なんだから当たり前だ」と思ったりしてないでしょうか? ですが、世の中には創作であるのに、まるで本当にそんな世界があるのではないかと思わせるような「説得力のある」作品が世の中にはたくさんあります。 ONE PIECEやHUNTER×HUNTER、鋼の錬金術師などがいい例ではないでしょうか。 小説で言えば、ハリーポッターシリーズなども設定がしっかりしていて、本当にそんな世界があるのではないかと思わせてくれます。 一体、この違いはなんなのでしょうか。 今回はそんな説得力の持たせ方について解説していきます。 この記事を読んで、説得力ある世界観や設定を作っていきましょう。 最初に結論を言ってしまうと、説得力を持たせるためには「虚実を混ぜる」ことと「掘り下げない」ことです。 では、詳細を解説していきましょう。

上手く嘘を付くには

世の中には嘘を付くのが上手い人と下手な人がいます。 その違いとは一体なんなのでしょうか。 それは、ピンポイントのみ嘘を付くことです。 つまり、嘘を付くのが上手い人は、重要なところだけ嘘を付き、その他のことは「本当」のことを言うのです。 逆に嘘を付くのが下手な人は「全てに嘘を付いて」しまうのです。 全部嘘を付くと、必ずどこかしらに矛盾が出てきてしまいます。 そして、その矛盾を埋めようとして新たにまた嘘を付き、やがては完全に破綻してしまいます。 相手に少しでも矛盾が気づかれれば、途端に「嘘を付いているな」と見破られてしまいます。 この場合、つかなくてもいいところも嘘を言ってしまっているため、話全体に対して気を配らなければなりません。 そこを部分的な、ピンポイントの部分だけ嘘を付き、他を本当のことを言えば、嘘をついた部分のみ、気を張ればいいので、バレにくいというわけです。 そして、それ以外は本当のことを言っているので、矛盾も出ないというわけです。 このことを小説にも取り入れればいいのです。 例えば、あなたが異世界転生ものを書こうと思ったとします。 その場合、主人公が飛ばされた世界を一から作らなければなりません。 それでは、世界を一から全て自分で考えるとどうなるでしょうか。 あなたが世界や国の成り立ちに、学者並みに詳しくなければ、必ずその世界には矛盾が生じ、「嘘くさく」なります。 では、どうすればいいかというと、「本当の国の事柄」をそのまま持ってくればいいのです。 そして、あなたが書こうと思った、核となる設定の所だけ、入れ替えたり作り変えればいいのです。 それ以外のことは「本当の国」から持ってきているので、矛盾などは生じません。 ラノベのファンタジーを書いている方の中で、「現実にある国のことを書こうとすると、調べるのが大変だから、一から自分で考えて作れるファンタジーの方が楽だ」と話すのをよく聞きます。 はっきり言って、これは逆です。 一から世界を作る方が難しいですし、大変です。 キングダムのように資料が入手しづらいほど昔の時代のことを書くのであれば、かなり大変だと思いますが、中世ヨーロッパくらいの国であれば、様々な書籍がありますので、調べられるでしょう。 ただ、そこの部分を手を抜いて、全部自分の頭の中で考えるのは「嘘を付くのが下手な人」と同じになってしまいます。 読者には様々な矛盾を指摘され、「嘘くさい」と思われてしまいます。 そして、読者は「嘘くさい世界」にはのめり込んではくれないのです。 最初にあげたONE PIECEや鋼の錬金術師なども、世界や国のことを一から全て作者の創作というわけではありません。 鋼の錬金術師は19世紀の産業革命期のヨーロッパから、世界観や国の設定を持ってきています。 19世紀の産業革命期のヨーロッパのことを詳しく調べ、そこに、もし「錬金術が発達していたら」「オートメイルという技術があったら」という要素を入れ込んでいます。 この場合、作者は「錬金術」のことと「オートメイル」の設定を作り込むことに集中できます。 ONE PIECEでは15世紀くらいの大航海時代のヨーロッパを基礎として、そこに「悪魔の実」が存在した場合の要素を入れ込んでいるという形ですね。 もし、国や世界の科学技術レベル、人々の暮らし、食べ物などなど、全部一から考えるとしたら、それだけで膨大な時間がかかってしまいます。 ですが、土台となる「本当の国」から持って来れば、「調べればいい」だけです。 一から作るのと調べるだけでいいのとでは、どっちが楽でしょうか。 しかも、一から作る場合は大変な割には矛盾が生じやすく、「嘘くさく」なる可能性が高いのです。 そして、「嘘くさい」設定のまま小説を書いてしまうと、デビューしてから読者に様々な方向から突っ込みを入れられてしまうのです。

必要以上の掘り下げは危険

「ピンポイントのみ嘘を付く」嘘が上手い人だったとしても、「嘘の部分」を徹底的に詮索されれば、さすがにバレます。 なぜならば、それは「嘘」だからです。 何が言いたいかというと、それは「創作」でも同じことが言えるということです。 自分で考えたネタの部分である「創作」と「本当のこと」を組み合わせるのですから、組み合わせた部分には、どうしても違和感が出てしまいます。 「鋼の錬金術師」を例に考えてみましょう。 まず、「錬金術」に関してですが、よくよく考えてみてください。 あんな便利な術があれば、まず「製造業」が錬金術に取って変わられます。 「医者」も必要なくなるでしょう。 「錬金術」が義務教育になり、錬金術が使える人間と使えない人間で貧富の差が生まれ、差別が起こり、人々は錬金術師とそれ以外の人間というくくりで分けられることでしょう。 ハリーポッターで魔法使いとマグルで分けられていたようにです。 そして、「オートメイル」です。 これに関しても、19世紀を基盤にしたとしているならかなり「オーバーテクノロジー」です。 オートメイルのような高性能の義手などは、「現代」でさえもまだ到達、普及に至っていないのですから。 なので、あの性能のオートメイルが存在している時点で、鋼の錬金術師の科学技術レベルはもっと発達していないとおかしいでしょう。 では、なぜ、鋼の錬金術師を読んでいて、そこの部分が気にならないかですが、それは「掘り下げない」からです。 「オートメイルは装着者の意思によって自由に動かせるもの」くらいの認識を出した以降は、オートメイルについては詳しく描写していません。 せいぜい、取り上げたのは材質くらいでしょうか。 もし、これで「オートメイルを動かしているエネルギーは〇〇で、神経を繋ぐ際の原理は……」なんて、描写を出したとしたら、途端に読者の目は科学技術の方に「目が向かい」、矛盾をあげていくことになるでしょう。 「錬金術」に関しても同様です。 「錬金術は一握りの天才のみが習得できる」というような雰囲気を出しているだけで、後は明言はしていません。 才能なのか、知識なのか、技術なのか等々、詳細までは言及していません。 「こういうもの」という設定のみを最初に読者に感じてもらい、あとは極力、詳細までは触れないようにするのです。 そうすることで、「嘘」を突き通すことができるわけです。 ラノベ作家の中には、その分野について調べて「勉強」したので、自信満々に設定の「中身」まで作中に出すことがあります。 ですが、読者の中にはその分野の「プロフェッショナル以上の知識を持った人がいる」ことを「絶対」に忘れてはいけません。 付け焼刃の知識をひけらかしても返り討ちに合うだけです。 ですので、「ネタ」となる要素の部分について、「調べるのは当然」ですが、「必要以上に中身には触れない」ことをお勧めします。 小説を書き始める前に、「設定を出すのはここまで」と決めておくといいかもしれません。 いかがだったでしょうか。 創作というのはある意味「嘘」です。 その嘘を読者に見破られると、途端に読者は冷めていきます。 読者に対してその嘘から目を逸らさせ、その世界に浸らせるのも作者の腕次第です。 上手い嘘をついて、読者に作品の中に没頭してもらいましょう。 それでは今回はこの辺で終わりです。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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