構成とは? 創作における構成の必要性について

転職前にやるべきこと

構成とは一体なんだろうか。なんとなく聞いたことはあるがよくわからない。
今回はそんなあなたに、構成は何かや構成の必要性を書いていきます。

構成とは

ストーリーの流れを変えることで、より面白くすることを言います。
起承転結や三幕構成と似ていますが異なります。
三幕構成には「構成」と入っているので、混同してしまいそうですがその違いを解説します。

三幕構成はストーリーを3つのブロックに分けて考えます。
設定、対立、解決という3つのブロックです。
海外の映画でよく用いられる手法になります。

三幕構成とは大きなストーリーの流れを考える際の手法です。
ですが、ここでいう構成とはもっと細かい点での話になります。

プロットや箱書きのところで、どのような順番でエピソードを見せればより効果的かを考える手法です。
つまりストーリーの基礎となる三幕構成や起承転結ができた後に必要となってきます。

構成の必要性

ストーリーを作るうえで、構成というのは切っても切り離せないものとなります。
同じストーリーラインの物語だとしても、構成を変えることで面白くもつまらなくもできてしまいます。

では「桃太郎」を例に挙げてみます。
桃太郎のストーリーの流れは下記の順番です。
1.おばあさんが桃を拾う
2.桃の中から赤ちゃんが出てくる
3.赤ちゃんだった桃太郎が成長する
4.桃太郎が鬼ヶ島に行って鬼を退治するために旅立つ
5.犬、サル、キジをきびたんごをあげて仲間にする
6.鬼ヶ島で戦う
7.鬼に勝利し、金銀財宝を持って帰る

これの一連の流れを見て、もっと面白く見せられる方法がないかを考えます。

たとえば先にピンチの状態を見せておき、どうしてそうなるのかを観客に気にならせる形を取ります。
順番的には下記です。

6.鬼ヶ島で戦う
1.おばあさんが桃を拾う
2.桃の中から赤ちゃんが出てくる
3.赤ちゃんだった桃太郎が成長する
4.桃太郎が鬼ヶ島に行って鬼を退治するために旅立つ
5.犬、サル、キジをきびたんごをあげて仲間にする
6.鬼ヶ島で戦う
7.鬼に勝利し、金銀財宝を持って帰る

これは一番上に6の鬼ヶ島で戦うというシーンを付け加えています。
ここでは桃太郎がかなり鬼たちに追いつめられていないといけません。
※犬やサル、キジは出しておくのも、出さないでおくのも「構成」によって変わってきます。

最初に絶体絶命の桃太郎を出しておき、観客が気になった状態で、どうしてそんな状況になったかを説明していきます。

この手法は映画で結構使われます。
『ミッション:インポッシブル3』や『ソードフィッシュ』などが効果的にこの手法を使っています。

つまり、物語は順番通り、時系列順に見せるのではなく、「どの順番で見せればより効果的か」を考えるのが構成になります。

また、順番を変えるだけではなく、シーンを追加したり削ったりすることもあります。

上の桃太郎の例でいえば、単に鬼は悪い者としか描かれていません。
この状態で桃太郎が鬼を倒したとしても、読者はよかったと思いますがそれ以上の感情は生まれません。

そこで鬼がおじいさんとおばあさんを襲い、瀕死の重傷を与えたとしたらどうでしょうか?
さらに幼い桃太郎をかばってです。
このシーンがあれば、桃太郎は直接、鬼に対して倒すべき相手として因縁づけられます。
そして、さらに桃太郎は自分の未熟さに葛藤するというシーンも描けます。

逆に犬、サル、キジを仲間にするエピソードが延々と続いてしまう場合はどうでしょうか?
桃太郎が長編でそれぞれ仲間にする際に葛藤を描くのであれば別ですが、2時間の映画の中で犬を仲間にするだけで1時間を使ってしまうと大体が主題から逸れてしまいます。
そういう場合は、きびたんごをあげてすぐに仲間になる、という形でシーンをすっきりさせます。
そうすれば視聴者は本筋だけをちゃんと追うことができます。

ハリウッド映画の中でも、サブエピソードに力を入れ過ぎて「結局、何がしたかったの?」となってしまう場合もあります。
そういう場合は必要なエピソードと不要なエピソードに分け、取捨選択する必要があります。

いかがでしたでしょうか。
同じストーリーラインでも、エピソードの見せる順番や追加や削除することでかなり印象が変わってくると感じたのではないでしょうか。

これが構成になります。
また、この構成は「第3者的な視点」を持たないと難しいです。
なぜなら、自分で書いたものを削除するのはどうしても躊躇してしまうからです。
なんとかこのシーンを使えないかと考えてしまうと、それは「作者の都合」であって「視聴者の都合」ではないのです。

構成はあくまでこの「視聴者側の視点」で考えなければならないのです。

それでは今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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