ソーシャルゲームの会社では、プランナーであれば、手が足りずキャラクター作成を手伝わされることがあります。
今回はそんな急なタスクを振られたとき、どのようにしてキャラクターを作っていけばいいのかを解説していきます。
まず、ソーシャルゲームでは大量にキャラを作る必要が出てきます。
大体のソーシャルゲームではキャラクターが売り物となるので、どうしても月々の売り上げを立てるためにも次々とキャラクターを作っていくことになります。
そうなった際に、担当者の手が足りず、プランナーが手伝うということもあります。
ですが、一番重要なキャラクター作成の部分を適当に作ってしまうと、キャラクターが売れず、売り上げが下がっていくことになります。
下手をするとゲームがクローズになることもあり得ます。
キャラクター作成は本当に重要です。
ただ、慣れていない場合、どうやって作っていいのかわからないと思います。
それではさっそく解説していきましょう。
まずは確定情報を収集する
最初にキャラクターを作成する際は、確定している情報の収集から始めましょう。
たとえば、そのキャラクターのステータスの仕様です。
以下の仕様が決まっていれば、随分と作りやすくなります。
・強さはどうか?(強いのか、弱いのか)
・レアリティはどうか(高レアリティか低レアリティか)
・分類は何か?(武器種や属性など)
・イラストが先行しているか?(ラフなどがあるか)
※イラストが先行してるパターンは稀です。
大抵は設定を作って、それに従ってイラストが作られていきます。
1.コンセプトに従う
どんなゲームにしても、キャラクター作成の大枠は決まっているはずです。
例えば、戦国時代のゲームであれば戦国武将。
神様を扱ったゲームなら神様。
西洋ファンタジーなら、西洋の雰囲気に合う形でキャラクターを作っていかないといけません。
西洋ファンタジーのキャラクターの中に、いきなり和風のキャラクターが入ると違和感があります。
(施策により、わざと入れる、枠を広げることはありますが)
とにかく、大枠に沿ってキャラクターの方向性を考えていきましょう。
2.属性や武器種から作る
ゲームのキャラクターであれば、何かしら仕様的に特徴があるはずです。
バトル系のゲームであれば、属性や武器種などが決められています。
(中には後から決めるところもありますが、この方式だとバランス崩壊が起きやすいです)
他にはアイドル系などのゲームでも属性(パッション、クールなど)が決まっているはずなので、それを考慮して作っていきます。
たとえば、神様というのがコンセプトの大枠があったとして、今回は風属性のキャラクターということになれば、風を使う神様を探していくという流れになります。
火属性なのに、風神というキャラクターを作るわけにはいきません。
これは極端すぎる例ですが、何も考えずに適当にキャラクターを当ててしまうと、チグハグなキャラクターが出来てしまいますので注意が必要です。
3.関連性から作る
キャラクターを作る際、成れていないと一キャラずつ個別に作ってしまいます。
個別に一体一体作っていくと、どうしても似通ったキャラクターができていってしまいます。
一人の人間が出せるパターンは、なかなか広がらないものです。
そこで、キャラクターを一キャラずつではなく、関連性から作っていきます。
いわば、集団やパッケージを作っていくような感覚です。
たとえば、ハンターハンターでいう幻影旅団やNARUTOの暁のような団体です。
一見、団体を考える方が大変かと思うでしょう。
たしかに、最初は一体のキャラクターを作るよりも大変です。
ですが、この団体を考えれば、おのずと多くのキャラクターが作れてしまいます。
また、同じ団体に所属しているキャラクターたちなので、それぞれキャラクターの間に関連性ができます。
幻影旅団であれば、ノブナガとウヴォーギンが仲がいいとか、フランクリンやフェイタンは結成当時からのメンバーとか色々と設定を練ることができます。
ここをしっかりと練っていくと、キャラクター作成に深みが出来、フレーバーを書く際やセリフを書く際にも役立ちます。
また、ユーザーも単独のキャラクターよりも関係性があるキャラクターのほうが、気に入る可能性が高いです。
グランブルーファンタジーでも、四騎士の四人が人気があり、何かとグッズ化されています。
たとえ、現状では一体しかリリースされず他は必要なかったとしても、ストックとして貯めておきましょう。
次にキャラクターが必要になれば、使えます。
さらに関連性で作ることでメリットがあります。
それは同じキャラクターができにくいということです。
同じ団体内のキャラクターとして考えるので、同じようなキャラクターは外れていくはずです。
幻影旅団にウヴォーギンの他には戦闘狂の脳筋キャラはいないですよね。
そして、団体を俯瞰して見て、キャラクターを設定していけば、おのずとバランスが取れていきます。
ですので、一体一体、個別に作るのではなくパッケージとして作っていくようにしましょう。
4.アニメや漫画のキャラクターから作る
これは結構、よく使われる手法です。
キャラクターの性格を、アニメや漫画のキャラクターから持ってくるという方法です。
キャラクターの仕様から、合いそうなキャラクターを引っ張ってくる形になります。
基本的に漫画やアニメのキャラクターは、すでにキャラが立っています。
そのキャラ立ちしている部分をうまく抽出していきましょう。
ただ、ここで注意が必要なのが、持ってきてそのままにしてはいけないということです。
これは、元にしたキャラクターを知っているユーザーが見ると、「あ、あのキャラのパクリだな」とすぐにバレてしまいます。
キャラが立っている分、元のキャラがわかりやすくなります。
ですので、特徴的な部分のみ、持ってきて後は仕様に合わせたり、設定に合わせることで変えていきます。
たとえば、ワンピースのルフィの性格を持ってきたとします。
これを盗賊団の団長ポジションにしてしまうと、そのままになってしまいます。
ですので、一団員とします。
すると、団長の命令を聞かず、一人特攻していくキャラクターになっていくでしょう。
一団員なので、そのキャラを嫌う者も出てくるでしょう。
また、団長も頭を抱えるようになるはずです。
うまくコントロールできる団長なのか、それともいつも尻ぬぐいするはめになる団長になるのかと、前のところで説明した他のキャラクターにも関連して作っていけるというわけです。
ただ、上記だと、それでもまだルフィ感が強いです。
ですので、ルフィにはない要素も入れていきます。
たとえば、弱いがとても運がいいという要素を入れてみましょう。
何も考えずに向かっていきますが、弱いのですぐにピンチになります。
ですが、持ち前の運によって、なんだかんだ切り抜けていく形になります。
ここまでくれば、性格がルフィだったとしても、キャラクターとしては随分と見え方が違ってきます。
加える要素は、仕様にあるものを入れ込んでもいいと思います。
ルフィは基本格闘(素手)で戦いますが、銃を使うキャラクターなので、銃の名人とすれば戦い方も違ってくるので見せ方も変わってくるでしょう。
基本となるキャラクターをそのまま使うのではなく、違う要素を入れることでオリジナリティを出していくという形になります。
決め過ぎない
ここからはちょっとしたコツを一つ紹介します。
キャラクターを作る際なのですが、あまり決め過ぎることも良くないです。
細部までしっかりと決めると、確かにキャラクターに深みが出ます。
ですが、その反面、融通が利かなくなります。
ソーシャルゲームは仕様がよく変わります。
ガチガチに決めておいて、いざ、そのキャラクターのリリースが決まったときに仕様が変わることで使えなくなる恐れも出てきます。
また、話を進めていく中で、「もっとこうしたほうがいい」というのは出てくるものです。
そうしたときに、柔軟性を持たせるために、あえて余裕を残しておくというのも手になります。
含みを持たせるような伏線を張っておき、回収する際に改めて考えればいいのです。
その際、ガチガチに決め過ぎてしまうと、つじつまが合わなくなり、苦労することになります。
ですので、ある程度の含みを持たせるのが大事です。
どの部分に余裕を持たせるかというのは、キャラクターの関連性の部分です。
誰と仲がいいのかや、そのキャラクターの過去の部分などです。
(性格や目的などのキャラクターの根幹となる部分はしっかりと決めましょう)
リリース時には、「なにかありそうだな」と思わせる程度の伏線を張る形です。
そのときにはっきりと出してしまわない方がいいでしょう。
以上がソーシャルゲームにおけるキャラクターの作り方のコツとなります。
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それでは今回はこのへんで。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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