基礎からわかる!シナリオの書き方フォーマット(ボイスドラマ編)

転職前にやるべきこと

はじめに

今回はボイスドラマシナリオのフォーマットと書く際の注意点についてのお話になります。

以前も書きましたが、シナリオはメディアごとによって、注意する点が大きく違ってきます。

詳しくは下記の記事をご覧ください。
ライター必見!プロが教えるシナリオの書き方の違い

上の記事をご覧になった後の方が、この記事もすんなり内容が入ってくるかと思います。

ボイスドラマのフォーマット

ボイスドラマは映像系の脚本とは若干書き方が変わります。

※映像系のシナリオの書き方は下の記事に書いてあります。
基礎からわかる!プロが教えるシナリオの書き方フォーマット(映像編)

ボイスドラマの場合は大きく分けて、2つの要素で書いていきます。
・セリフ
・ト書き

映像系と違い、ボイスドラマの場合は柱がありません。
これは音のみの作品なのでセリフや音でしか表現できないため、柱を立てても表現する方法がないからです。

たとえ、柱を立てて、場所と時間を書いたところで「音」として表現できません。

ボイスドラマは柱がない分、
その柱として必要な情報を「セリフ」などで出さなければなりません。

例えば、そこがAくんの部屋という設定で柱を立てたとしても、
視聴者からしてみれば「学校」なのか、「廃墟」なのか、「Bくんの家の中」なのかが、まったくわからないのです。

そして、もう一つ大きな違いとしてはセリフとト書きの間に1行空けるところです。
これは恐らく時間の調整の為でしょう。

ボイスドラマでも映像系と同じく、1枚1分の計算になります。
映像系と違い、柱がないことやト書き(キャラの動きなど)が少ない為でしょう。

ナレーションについて

ナレーションは主人公視点になるものが多いです。
なので、一人称の小説を書くイメージで執筆するといいでしょう。
ただし、小説の地の文のように、延々と主人公のナレーションが続くのは視聴者を飽きさせてしまいます。
気を付けましょう。

ト書きについて

ト書きも映像系と違い、「音」で表現できることのみを書きましょう。
キャラの動きなどで、音で表現できないものを書くとかえって混乱を招いてしまいます。

シナリオで大事なのは、必ず「完成品」をイメージして書くことです。
それはボイスドラマだけではなく、映像作品や舞台、小説でも同じになります。

以前も書きましたが、シナリオは設計図です。
完成させるまでの設計がされていないと、シナリオを渡された方も戸惑いまうでしょう。

書き終わってから、見直す際に、自分ならこういうSEを付ける、などと考えながら
チェックして見るといいかもしれません。

また、ト書きに「SE」と書く場合もありますが、公募の場合は書かない形式が多いです。
公募作品の場合は、あらかじめ募集要項を確認しておきましょう。

執筆の際の注意点

ボイスドラマは他のシナリオと比べて、結構特殊になります。
以下のことを考えながら書いていきましょう。

登場人物の数に気をつけよう

映像がないというのは、かなり制限があると思ってください。
声だけで、誰がしゃべっているかわかるようにしなければなりません。

映像であれば、顔が出るので誰がしゃべっているか一目瞭然ですが、
ボイスドラマの場合は顔が見えません。

小説であれば、地の文で補足することができます。
ですが、ボイスドラマは
声だけで、視聴者は誰かを判別しなければならないのです。

特徴がある声や、年齢、性別がバラバラであれば判別しやすいですが
学校の同級生という設定であれば、同年代の同じ性別の人物が多数出てくる可能性が高いです。

そうなった際、必ず始めに「誰」が「この声」という印象を
視聴者にわかってもらわないといけません。

いち早く、名前と声を一致させる工夫が必要になります。

これも、つい忘れがちになってしまうのですが、
映像や地の文がないということは、「その場」に「誰」がいるかも、視聴者にはわかりません。

なので、セリフ等で登場させておかないと、ずっとその場にいたという設定なのに
視聴者には「え? いつからいたの?」という風になり、唐突な感じになります。

人数でいうと、1のシーンで3~4人が限界です。
それ以上多く出す場合は、なにかしらの工夫が必要になってきます。
※上記で書いたような、声の特徴があるキャラを揃えるなど

SEを効果的に使う方法を考える

意外と、音で判別できることは多いです。

チャイムが鳴れば、そこは学校だとわかりますし
駅員のアナウンスがあれば、駅だとわかりますし
波の音が聞こえれば、浜辺の近くだとわかります。

全部をセリフで表現しては、
説明セリフだらけになってしまいます。

まずは音で表現できるかを考えてみるのもいいです。

ボイスドラマは「音」が主役のジャンルなので、音が生きるストーリーにすると、映えます。

公募作品でも、「音」をうまく表現できた作品が大賞になったりします。

公募作品を書く際は、実際にボイスドラマになった場合に
栄えるかどうかを意識しながらネタを考えるといいでしょう。

例えば、夏であれば風鈴がキーとなるストーリーであれば
ときおり鳴る風鈴が、作品を活かしてくれるようになります。

逆に実際の動きがあるストーリーは、表現が難しくなります。
たとえばスポーツものやバトル系がそうですね。

実況等やナレーションで説明しないと、視聴者はどんな状態かわかりません。

ボイスドラマを書く際は、是非、上記のことを意識して書いてみてください。

それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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