漫画や小説を書く際にキャラクターを作ります。
キャラクターの設定や性格を練り、物語上で動かしていきます。
ですが、動かしてく中でキャラクターには大きな壁が立ちはだかります。
そこを間違えるとキャラクターだけではなく、ストーリー自体が崩壊していきます。
今回はキャラクターの動かし方について解説していきます。
最初に結論を書くと、キャラクターを動かす際に気にするべきところは「動機と性格」になります。
それでは詳細を解説していきましょう。
キャラクターは変わっていく
いくら、事前にキャラの設定や性格を詳細に決めていたとしても、ストーリーを進めていくことで、キャラクターは変わっていきます。
これは当然のことで、実際に動かしてみることで、そのキャラクターの新たな一面が見えてくるので、ここでは変わるというよりは、深みが出ると考えるとよいでしょう。
逆にキャラクターに関して、事前に決めたままで進んで行っている場合は、「ストーリーに沿って動いている」という可能性があるので、そちらの方が注意です。
キャラクターの動かし方は
〈ご都合キャラにしないコツ〉に書いてますので、是非、読んでみてください。
キャラクターが変わっていくというのは良いのですが、変わり方によっては「キャラクターのブレ」と取られてしまうことがあります。
そこを注意しながら、ストーリー上で動かしていくようにしましょう。
あくまで動機に沿って動かす
キャラクターの性格に関してはキャラクターが持つ、『動機』によって形成されていきます。
つまり、キャラの中心になる要素はキャラクターの『動機』になるということです。
キャラクターの新たな一面が見える場面というのは、「新たな選択」や「新たな状況」になったときだと思います。
そんなときに、キャラクターの動機と合っていない行動をすると、「キャラブレ」となってしまいます。
例をあげて考えてみましょう。
NARUTOのナルトを考えてみましょう。
ナルトの一番の動機は何かと聞いた時、ほとんどの人は「火影になること」と答えるでしょう。
確かに、火影になることはナルトにとって、大きな動機ですが、一番かというとそうではありません。
ナルトは物心ついた頃から、ずっと孤独でした。
そして、この「孤独から抜け出す」ために「火影になって」、「みんなに認めてもらいたい」というのが心の中にあります。
なので、ナルトの一番の動機は「孤独から抜け出すこと」、つまり「他人との絆」になります。
その絆を結ぶ上で、火影になって、みんなに認めてもらいたいという動機の順番です。
なので、ナルトの動機順は下記になるでしょう。
1.他者との絆
2.誰かに認めてもらいたい
3.火影になること
この順番だからこそ、あれだけサスケにこだわり、サスケに認めてもらいたいと考え、強さを追い求めました。
なので、もし、ナルトが、イタチのように「木の葉の里を守るために、うちは一族を全滅させた」という行動を取れば、違和感が出てしまうわけです。
里を思い、火影になるためであれば、木の葉に害をなすうちは一族を全滅させることは、必ずしも悪というわけではないのですが、ナルトがこれをやってしまうのはNGです。
ですが、もし、サスケがうちは一族に掴まり、処刑されそうになっている状況で、話し合いが通じないのであれば、うちは一族を全滅させるかもしれません。
どちらも止めを刺さないにしても、「里のため、火影になるため」だったら、うちは一族を全滅させるのではなく、他の方法を何とかひねり出そうと翻弄するでしょう。
ですが、絆であるサスケの生死が関わって来るのであれば、武力による解決を辞さないでしょう。
このように、行動に迷いが出る際は、必ず『動機の順番』に照らし合わせて考えてみましょう。
そうすれば、キャラクターがブレるのではなく「深み」が出ることになります。
あとは、設定に関しては極力は変えない方がいいでしょう。
致命傷ではないですが、気になる読者は気になります。
ONE PIECEで例をあげてみましょう。
今では方向音痴と言えば、ゾロですが、最初はルフィの方が、方向音痴だったことは知っていますでしょうか?
ウソップが仲間に加わった際の戦いで、ゾロとルフィが戦いに遅れるというシーンがあるのですが、遅れる理由が、ゾロが滑る坂に落ちたせいで、ルフィは道に迷うというものでした。
今では、逆になるかと思います。
ただ、これは初期の設定が固まる前の話なので、致命傷ではありませんが、気になる人は気になるでしょう。
なので、一度出した設定は、キャラクターの設定書に書き込んでおき、すぐに見られるようにしておきましょう。
多くのキャラクターを出す場合は、絶対に頭の中で覚えきれるものではありません。
要所要所でキャラクター設定書を見直しながら書き進めましょう。
キャラクターの設定というのはストーリーの展開上、「こういう設定にした方が便利」という場合が多々あります。
その場合、「最初に決めた設定」が「邪魔」になります。
こういうことが起こらないようにするには、「必要ではない設定」は「決めない」、「出さない」ようにするといいでしょう。
設定というのは本当に必要になった際に、設定するという柔軟性を持たせておくとよいでしょう。
ただ、「性格に関係する設定」は決めておかなければなりません。
例えば、趣味などは「動機」にも関連することもありますので、決めておく必要があるでしょう。
思い入れに左右されない
キャラクターを動かすにあたり、「思い入れ」という感情が関係してくることがあるでしょう。
例えば、このキャラは自分の中でお気に入りなので、活躍させようとか、読者に人気だから活躍させようとかになります。
正直に言って、これはストーリーと設定が壊れていきます。
主にバトル系で多いのですが、明らかに弱い設定なのに、強敵に勝つというのがあります。
作者や読者の人気があるんだろうな、とは思うのですが、このせいで今まで築き上げた設定が崩壊します。
いくら人気キャラであろうと、思い入れがあるキャラであろうと、ストーリーの設定や流れの上では活躍できない、出さないことも必要です。
また、人気キャラだからこそ、思い切って死ぬことも「引き」として効果的になります。
いい例としては鬼滅の刃の煉獄でしょう。
あれほどの人気キャラをあの場面で退場させたのは、衝撃的でした。
キャラクターはあなた自身が作り出したものです。
もちろん、思い入れは出来てくるはずです。
ですが、その思い入れに引きずられて、ストーリーや設定を崩してはいけません。
残酷ですが、どんなにキャラクターに思い入れがあったとしても、ストーリーを書く際には一歩引いた、冷めた感情が必要になります。
ここはプロットや箱書きを作った際には、注意して確認するようにしましょう。
このようにキャラクターは作品にとって命と言える存在です。
だからこそ、細心の注意を払って、動かすようにしましょう。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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