いいネタが思いつき、さっそく小説を書き始めたのに、なぜかいつも途中で書くのを止めてしまい、完成しないなんてことはないでしょうか。
これは小説を書き始める際に、ついつい犯してしまう、やってはいけないことをしてしまうためです。
今回は執筆の際にやってはいけない注意点を解説します。
もし、これに当てはまるのであれば、これを避けるだけで完成まで漕ぎつける可能性が高くなってきます。
是非、当てはまるものがないかをチェックしてみてください。
最初に結論を書くと注意点か下記の内容になります。
1.書いた箇所の修正をする
2.詰まったところで書くのを止めてしまう
3.書きながら調べものをする
4.書き終わる前に次のネタを探してしまう
5.初稿で完成させようとする
では、一つ一つ詳細を解説していきましょう。
書いた箇所の修正をする
これは初心者から中級者がよくやってしまうことです。
書き始める際にウォームアップとして、前日の書いた部分を見直して修正していくというものです。
これの何がいけないかというと「進んでいない」からです。
落ち着いて考えると、やってはいけないとわかると思いますが、書いている途中では意外と気付かないものです。
最悪なのは、前日の書いた箇所の修正で「終わる」場合です。
これは全く進んでいません。
ですが、本人は「クォリティが上がった」と考えてしまいがちです。
ですが、文章というのはその日の気分次第で見方も変わってきます。
前日は「凄い良い文章が書けた」と思っても、次の日に見ると「そうでもない」とことが多々あります。
これでは書き終わるまでの時間が大幅に増えてしまい、最悪、いつまでも終わらない場合があります。
もし、前日の続きを書く際に、前日の部分を読んでいて気になったと箇所があれば、そのときに直すのではなく、メモを残して置き、「書き終わってから」直すようにしましょう。
詰まったところで書くのを止めてしまう
小説を書いている際に、行き詰るということは誰しもが経験することです。
順調に書き進めている中で、ふと、行き詰ったときに「よし、今日はここまでにしておこう」という感じで行き詰ったところで止めたりしてませんか?
これは何作も作品を「完成させている」方であれば問題はないかもしれません。
ですが、完成させているのが3作未満の方の場合は注意が必要です。
というのも、行き詰ったところは「次の日も行き詰る」可能性があるからです。
いざ書こう!とモチベーションが上がった状態で、小説の続きを書こうとします。
ですが、前日に行き詰った箇所からスタートになります。
ここで打開策が思いついていればいいのですが、思いついていない場合、続きが書けません。
せっかく書きたいという情熱があるのに「書けない」というジレンマが起きると、書く気力がなくなります。
そして、「せっかく書こうと思ったんだから、せめて前日分の直しをするか」という流れで、1つ目のやってはいけないことをやってしまいます。
前日分の書き直しをしたことで、「書いた気分」になり、満足して書き終えてしまいます。
これが1日であればまだいいのですが、何日も続くとかなり危険な状態になります。
では、こうならないためにはどうすればいいかを解説していきます。
回避するには何個か方法があります。
あえて、ノッているところで止める
これは「継続するコツ」でもあるのですが、あえて「まだ書きたい」と思うところで止める方法です。
せっかくノッてきているのに勿体ないと思うでしょう。
ですが、書き始めの初心者の方は、ここはあえて勿体なくても書くのを止めるのが英断です。
というのも、「書きたいという気持ち」を持ったまま、次の日に持ち越せるからです。
確かに、その時よりも時間が経てばその気持ちが冷えるということもあるでしょう。
ですが、いざ、書き始めれば不思議と、またノッてくるものです。
物足りないところで止め、次の日に持ち越すことで、「続ける」ことができるのです。
書く習慣が出来ていない方にはお勧めの方法です。
プロットを見直すorプロットを作る
行き詰る際に、多いのがプロットを作っていないか、プロット自体が粗いというものがあります。
プロットを作っていないのなら、行き詰るのは当然のことです。
これは登山するのに、ルートを調べずに適当に山を登るのに等しい行為です。
大抵は「遭難する」ということは容易に想像できるでしょう。
運よく頂上についたとしても「最適なルート」ではなく「遠回りしている」場合が多いでしょう。
つまり、その物語はどこか「遠回り」でスッキリしていないものになっていることが多いです。
ですので、その物語という山を登るために、「登山ルート」を作ることがプロットになります。
プロットを作っていないのなら、是非、プロットを作る習慣をつけましょう。
もし、プロットを作らずに書いているのなら、「プロ」になったとき「必ず」苦労します。
プロの場合は、小説よりもプロットを書くことの方が多いと言っても過言ではありません。
新人の場合は必ず担当者にプロットを求められます。
ですので、今からプロットを書く練習として、小説を書く前には必ずプロットは作りましょう。
次に、プロットが粗い場合です。
本当に大まかにしか作っていない場合、いざ、書き出してみるとプロットでは気づかなかった欠点が出てきて、行き詰ったりします。
このような場合は一旦、プロットに戻り、物語全体を確認して考えるといいでしょう。
ここでプロットを「箱書き」にしてみるのもかなり効果的です。
箱書きに関しての記事は下記にありますので、是非、読んでみてください。
〈箱書きとは?箱書きの使い方〉
強引に進める
次の方法としては、「強引に進める」です。
これは、例えあなた自身が納得できない流れでも、強引に話を展開させる方法です。
ただ、ここで注意点なのですが、多少のキャラのブレは許容ですが、大きくキャラブレさせて進めてはいけません。
絶対にそのキャラがやらないようなことをやって進めてしまった場合、最悪、その後の流れは全部書き直す可能性が出てきます。
そんな場合は、「新たなキャラを出して進める」というのも手です。
新キャラであれば、キャラ崩壊することもないですし、「そこの展開用のキャラ」なので、そのシーンに都合のいいキャラクターにすれば、とりあえずは窮地は脱することはできます。
もちろん、納得はできないと思いますが、そこの修正は「推敲」でやりましょう。
また、もう一点注意なのですが、「そのままにして」進めないでください。
ここは後で何とかするとして、先に進めた場合ですが、最悪「思いつかなかったら」どうなるでしょうか?
上の注意点のように、そこの部分から後ろを全部書き直す可能性も出てきます。
意識して欲しいのは「初稿」として「完成させる」ことです。
そして、初稿というのは最初から最後までストーリーが穴なく読める状態のことです。
なぜ、「初稿」を完成させる必要があるのかというと、例えば、初稿を書き終えた時に「納得できず」お蔵入りさせたとします。
ですが、数年経ったときに改めて読んでみると意外と「いける」と思う場合があります。
または、不意に「作品を出す必要」があった場合に有利です。
というのも「初稿」が出来ていれば、「推敲」して完成させればいいだけです。
ですが、「初稿」状態になっていなければ、「また書き始め」なければなりません。
再度、作品を熟読し、設定を思い返し、キャラの気持ちも一から把握し直さなければなりません。
これなら「新たに書いた方が早い」となりかねません。
であるならば、「初稿」までは完成させておくべきです。
書きながら調べものをする
次にやってはいけないこととして、書きながら調べものをする、です。
これは「前日の直し」をするのと同様に「手が止まり」「進んでいない」状態になるからです。
最悪なのが調べものをしている内に、執筆の気力が失せ、ネットサーフィンに突入してしまうことです。
ネットは便利ですが、反面、誘惑が多いです。
一度、執筆に入ったのならネットは切り、書くことに集中した方がいいです。
では、この状態に陥らないようにするにはどうすればいいか、ですが、簡単です。
「事前に調べておく」です。
書く前から「必要そうな資料」を洗い出し、調べておくのです。
これは面倒くさい、と思ったでしょうか?
よく、プロ作家の話を聞いていると「取材して調べた情報の8割は本編に出てこない」というのがあります。
この話を聞いて、「そんなの非効率だから、必要なタイミングで調べればいいだろ」と思わなかったでしょうか?
私も初心者だったときはこの罠にハマりました。
では、なぜ「必要なタイミングで調べる」ことがダメなのでしょうか。
それは「熟知していない状態で書くこと」になるからです。
例えば、「刑事もの」を書くとします。
とりあえず「イメージ」で書けるところを書いていきます。
そして、調べないと進めないときに「調べる」とします。
確かに、その部分は調べたので「正しい」情報を書けます。
ですが、「それ以外の部分」が返って「浮く」状態になってしまいます。
さらに「イメージ」というのは大概間違っていることが多いです。
それこそ、「〇〇警察」というその分野に詳しい読者から突っ込まれるというわけです。
ここでもう一度、プロ作家の言葉に戻ります。
「取材して調べた情報の8割は本編に出てこない」とありますが、実はそうではないです。
「ネタ」として見ると確かに使われるのは2割かもしれませんが、「調べた」ことにより、その分野に関しては「詳しく」なっているはずです。
そして、そういう部分は必ず本文に出ます。読者も気づきます。
料理もしたことのない作家が書く料理ものの小説と、料理が好きな作家が書く料理物の小説では描写一つ見るだけで、「クォリティ」が違うことはわかるでしょう。
なので、事前に必要なことを調べるというのは、その分野について調べることになるので、決して無駄にはなりません。
ですので、事前に調べておきましょう。
また、これは「異世界もの」でも当てはまります。
異世界は「作者が作り出す世界」なので、「自由に書ける」と思われがちですが、これは全く逆です。
一から作り出すからこそ、「全てを決めなくては」なりません。
特に世界観を決めずに書き出し、必要になったら考えるなんて方式を取っていれば、必ず「綻び」や「矛盾」が出てきます。
大陸のど真ん中にある国なのに海産物が特産品だったり、転異魔法があるのに王様がわざわざ、護衛を付けて旅をしたりなど、書いてる本人は気づかなくても、意外と読者は気づくものです。
こうなると読者は一気に冷えてしまい、「この作者は適当に書いてるな」と見破られてしまいます。
その物語の「世界観」は全て熟知してから書き始めるようにしましょう。
書き終わる前に次のネタを探してしまう
これも意外とやってしまうことです。
書き終わったら、すぐに次の作品を書き始めたいと思い、次の作品のネタ探しをやってしまうのです。
別にいいじゃないか、と思うでしょうか?
はい。これに関しては「今、書いている作品への情熱が薄れなければ」という前提条件がある場合のみ、OKです。
〈推敲の仕方とタイミングを解説〉の記事でも書きましたが、「推敲」する際には「情熱は消えていればいるほどいい」のですが、それはあくまでも「推敲するタイミング」での話です。
書いてる途中で情熱が薄れてしまうと、それは確実に本編に影響します。
読者もわかります。
「初稿を書き終える」までは「情熱は維持」しなくてはなりません。
そんな中、「新しいネタ」を探し出してしまったらどうでしょうか?
大抵の人は「新しいネタ」の方が良いように感じます。
そして「早くそのネタで小説を書きたい」と思うはずです。
そんな状態で、「今書いている小説への情熱」があるでしょうか?
あったとしても、ネタが思いつく前よりは弱くなっているはずです。
なので、「初稿が書き終える」までは「次の作品」のことは考えるべきではないです。
ただ、「切れ目なく、次々に作品を書いていきたい」という方もいらっしゃるでしょう。
その場合は「ネタ」だけをメモっておき、絶対に「ストーリー」までは考えないようにしましょう。
「ネタ帳」だけを作っておき、いざ、新しい作品を書く際にストーリーを膨らませていきましょう。
初稿で完成させようとする
これは初稿で、最高のクォリティで仕上げようとしてしまうパターンです。
あとは「見直しをしたくない」人がやってしまいがちです。
初稿ができれば、それで「完成」としたいわけですね。
ですが、
〈推敲の仕方とタイミングを解説〉でも書きましたが、初稿というものはせいぜい、完成度としては6割くらいです。
そこからブラッシュアップしていき、クォリティを高めていきます。
それはプロでも同じですし、プロだからこそ力を入れる箇所です。
ですので、「推敲」するということにもなれる必要があります。
また、初稿で完璧に仕上げようとすると、違和感があった場合はその都度、書き直すことになります。
違和感があるたびにです。
最悪なのは同じシーンを何度も何度も修正するパターンです。
これはどう考えても非効率です。
そして、高いクォリティを目指すので、途中で断念して、違う作品を書き始めるなんてことになりかねません。
こうなるであるなら、初稿を書き終えて、推敲した方がいいでしょう。
上でも書きましたが、まずは「初稿を書き終える」ことが何よりも大事です。
例え、初稿のクォリティが低かったとしても「完成」させることができるのとできないのとでは雲泥の差があります。
頭の中の名作より、書き終えた駄作の方が価値があるのです。
初稿では駄作であっても「推敲」でクォリティは上げることができます。
ですので、初稿に関しては気負わず、楽しく書くようにするといいでしょう。
いかがだったでしょうか?
よくありがちなやってはいけないことをあげてみました。
心当たりがあるのならば、今一度、立ち止まり書き方を見直してみるのはいかがでしょうか。
それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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