ストーリー構成のコツと必要性についての解説

シナリオライター編

よく、映画やアニメ、ドラマや小説を見ていて、「この作品は構成が甘い」なんてことをレビューで書かれているのを見たことはないでしょうか?

では、その構成というのはなんなのか?

どうやって構成をしていけばいいのか、というコツについて、今回は解説していきたいと思います。

この記事を読めば、もう構成について迷ったり、どうやって構成していけばいいのかがわからないなんてことはなくなります。

それでは、構成について解説していきましょう。

構成を選ぶ

構成は物語を読者に「正しく伝える」ということと「物語を盛り上げる」という際に使います。

この辺りは以前、記事にも書いていますので、そちらを参考にしてみてください。

【小説や物語における構成とは?】

上の記事では、基本的に物語を書いている途中や、書き終えた後の改稿の際に使う構成になります。

この構成というのは、難易度が高く、編集者などの「他者の作品を読んで直す」という人でないとなかなか身に付いていきません。

もちろん、独学でしっかりと勉強していけば身に付いていきます。

ですが、今はそんな勉強している暇はない、ドンドンと新人賞に送りたいんだ、という人もいることでしょう。

そんな場合はどうするとよいかを考えてみましょう。

実は答えは簡単です。

それは「構成を選べば」いいのです。

つまり、既存の作品の構成から、使うものを選んで持って来ればいいのです。

そうすれば、あなたの作品は安定した面白さを得ることができます。

かといって、じゃあ、なんでもいいから持って来ればいいというわけではありません。

選ぶコツというものがあります。

構成を選ぶコツ

では、どうやって選んで来ればいいのでしょうか。

それは「ネタや題材」によって決まります。

逆に言うとネタや題材に合わせた構成を選ばないと、かえってその物語の面白さは消えて行ってしまいます。

例えば、料理に置き換えて考えてみましょう。

豚肉、たまねぎ、ニンジン、ジャガイモが手元にあったとします。

では、それでどんな料理を作るでしょうか?

おそらくは、カレーやシチューなどが挙げられるでしょう。

ですが、その材料からペペロンチーノを作ろうとしたらどうなるでしょうか?

十中八九失敗してしまうでしょう。

それと同じです。

つまり、食材が「題材、ネタ」になります。

その題材やネタに合わせて「構成」を選ばなくてはなりません。

例えば、「嘘を付けなくなった不動産の営業マン」という題材を思いついたとします。

そうなると、自然と、最初は嘘を付きながら営業している主人公を描き、次に嘘がつけなくなり、そして、嘘を付けなくなった状態で客と向き合うという内容になってきます。

題材が決まった時点で構成も決まっていくという場合もあります。

こちらに関しては「正直不動産」という作品を解説した際に、詳しく書いていますので是非、参考にしてみてください。

【漫画「正直不動産」の1話解説】

他にも、主人公が最初から強い場合は、1話完結型の事件を解決する話が合います。

逆に主人公が最初は弱く、成長していく場合は「何かを始めるきっかけ」を描いていく必要があります。

もし、主人公が巻き込まれ型というのであれば、キャラクターの説明を厚く描きつつ、伏線を張っていくという構成にしていくとよいでしょう。

ただ、これはあくまで一例になります。

主人公が最初から強いという場合でも、キャラクターの説明を厚く描きつつ、伏線を張っていくというスタートでもやれないことはないです。

ですがここで注意していただきたいのが、あくまで「構成を選ぶ」ということです。

つまり、選ぶためには、「様々な作品の構成」を知っておく必要があります。

ですので普段から、作品の構成を見ておく必要があります。

ここまで読んだ際に、一つ疑問が出てくると思います。

それは、他の作品の構成を持ってきた場合は「パクリ」になるのではないか、というものです。

ですが、これに関しては全く、問題はありません。

題材やネタ、キャラクターが違えば構成が同じでも、ストーリーは全然違うものになります。

例えば、「ドラえもん」と「こち亀」は同じ構成になっています。

ドラえもんの場合、のび太がイジメられて、ドラえもんが秘密道具を出し、のび太が秘密道具を使っている内に調子に乗って、痛い目を見るというものです。

こち亀の場合は、両さんがある情報を手に入れ、それにより新しい商売を思いつき、商売が繁盛するうちに調子に乗って、部長に怒られるというものです。

もっと、分かりやすい例を出すと、「どらえもん」と「まじかる☆タルるートくん」も構成は同じです。

こち亀の場合よりも似ていますね。

ですが、誰も「パクリだ」という人はいません。

それは、キャラクターが違うという点や、キーとなる部分、例えばドラえもんの場合は「秘密道具」でまじかる☆タルるートくんの場合は「魔法」になります。

その部分にオリジナル性があれば、構成は同じでもストーリーは違ってきます。

ですので、気にせずに、普段から作品の構成を見ておくことをお勧めします。

そうすれば、題材に合わせて、どの作品の構成でかけば、よりよい作品になるかがわかってくるようになります。

もし、なかなか他の作品を読んで構成を抜き出すという時間がないというのであれば、下記に様々な漫画作品の構成について解説していますので、是非、利用してみてください。

【漫画から学ぶ起承転結の構成の一覧】

それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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