小説を書いていると、つい台詞だけで説明や話を進めてしまうことがあります。
台詞で説明や話を進めるのは簡単なので、ついつい、台詞に頼ってしまいがちです。
ですが、そうなると「単調」になってしまいます。
そんなときは「小道具」を使うといいでしょう。
今回はそんな小道具の使い方を解説します。
小道具を使うだけで説明することができる
小道具は結構、便利です。
小道具はテレビドラマや漫画でよく使われる手法ですが、もちろん小説でも使えます。
では、どんな形で使うのかを例を出して考えましょう。
例えば、主人公が「アイドル」が好きだったとします。
それを読者に伝えるにはどうすればいいでしょうか。
もちろん、台詞で「俺、アイドルが好きなんだ」と言えばいいでしょう。
ただ、それだとストレート過ぎますし、説明台詞っぽいです。
そこで小道具を使います。
部屋の壁にはアイドルのポスターが大量に貼ってある。
どうでしょう?
これでアイドル好きだと伝わるのではないでしょうか?
アニメ好きならDVDやフィギュアが飾られていれば、伝わるでしょう。
好きな食べ物でも、「俺、カレーが好きなんだ」というよりも、実際に学食でカレーを食べるというシーンを何回か描くことで表現できます。
毛虫が苦手であれば、実際に毛虫を出せばいいでしょう。
このように台詞や地の文で直接書くよりも、小道具として出す方が効果的だったりします。
そして、小道具のいいところは、台詞と違い「言って終わり」にならないところです。
どういうことかというと、小道具は物体としてそこに存在します。
上の例で出した、フィギュアを考えてみましょう。
部屋にフィギュアを飾ってあるというシーンを描いた後、部屋で友達と喧嘩してフィギュアが壊れることがあれば、主人公は激怒するでしょう。
つまり、小道具は説明した後に、話の展開にも使えるということです。
口喧嘩をするよりも、フィギュアを壊すと言った方が、簡単に喧嘩させることができます。
そして、この小道具は「キャラクター設定」にも使えます。
この小道具を使ってキャラクター性を作るのが非常に上手いのが、ONE PIECEの作者である尾田栄一郎先生です。
例えば、「麦わら」と聞けば、今は多くの人が「ルフィ」と関連させます。
同じく「三刀流」と聞けば、「ゾロ」ですね。
このように、小道具一つでキャラクター付けもできます。
今のラノベでは「イケメン」や「可愛い」「美人」というようなどの作品のキャラクターにも当てはまるような表現が多いです。
指輪、ピアス、ブレスレット、髪飾り、などなど、小道具を使ってキャラクター性を引き立てるのはいかがでしょうか。
心情も表現できる
小道具といっても、なにも「物」だけではありません。
例えば、「天気」なども小道具に含まれます。
キャラが俯いている状態で雨が降り始めれば、「悲しい」を表現できます。
これは「絵」がある作品であればより効果を出せますが、小説でも、より感情を高めるために使えます。
落ち込んでいるところに雨が降って、より惨めに感じるというような描写を描けば、そのシーンはより深い感情を描くことができます。
もしくは好きな人と一緒であれば、相合傘ができますし、どこかで雨宿りもできます。
雨で服を濡らすこともできますし、大事な物を水浸しにもできます。
このように、天気も使って色々と展開を動かすこともできるということです。
ただ、天気の場合は急に雨が降ってくるとご都合主義っぽく見えるので、前もって「曇っている」などの伏線を入れるようにしましょう。
もちろん、時間や乗り物、場所なども小道具と考えてもよいでしょう。
セリフや事件だけで物語を動かしていると単調になりがちです。
たまには小道具も使って、いつもとは違う物語の動かし方をしてみるのはどうでしょうか。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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