今回も「小説を書くための基礎メソッド」の内容より五感に対しての解説がありましたので、自分なりに噛み砕いた形で解説していきたいと思います。
あなたは小説を書く際に五感をフルに使って描写しているでしょうか?
まず、五感とは視・聴・嗅・味・触の5つからなります。
大体は視と聴に偏っていないでしょうか?
一度、過去に書いた作品を見てみてください。
五感をフルに使った描写をしている作品があるでしょうか?
もちろん、五感をフルに使って書かなくても小説は書けます。
では、なぜ、五感を使う必要があるのかというと、「共感」を得られやすいからです。
小説は読者に「共感」してもらえるかが勝負です。
共感することが多ければ、多いほど、読者はその作品にのめり込んでいきます。
それではなぜ、五感を使うと「共感」を得られやすいかを解説していきます。
人によって大きな違いがない
例えば、「美味しい」という描写を書きたいとします。
その場合、単に「美味しい」とか「甘い」のような表現だと、人によって思い起こす印象が違います。
美味しいと言っても、どう美味しいのかは伝わりづらいです。
そこで、「リンゴみたいな味」と書くとどうでしょうか?
一気にどういう味か想像できると思います。
同じように「固い」という描写を書きたいとします。
ここも単に固いと書くよりも、木のように固いのと、鉄のように固いでは、強度の細かいニュアンスを伝えることができます。
このように、読者が知っているであろう物を使って表現することで、読者の想像力をより具体的にできます。
そして、作者自身も読者が思い起こす感覚をコントロールしやすいというわけです。
作者の感覚も研ぎ澄まされる
さらにもう一点、五感を使うメリットとしては、作者であるあなたの感覚も研ぎ澄まされるということです。
小説は文字で表現する作品です。
ですので、どうしても文字だけを見てしまうということが起きてしまいます。
どういうことかというと、「そのシーン自体をしっかりと想像しない」で書いてしまうということです。
ストーリーと台詞しか追っていない状態です。
単に、その場にAとBというキャラがいて、会話しているくらいの認識で書いていないということです。
「どんな場所に」「どんな立ち位置」で「立っているのか座っているのか」などなどが抜けているわけです。
小説を書いているときに、一度手を止めてみてください。
その書いているシーンを「映像」として想像することができますか?
単に文字の上でしかシーンを想像してないでしょうか?
そんなときこそ、五感を使って感覚を研ぎ澄ませるのです。
今書いているシーンをしっかりと想像してみてください。
周りには何が見えますか?
騒音など、音は聞こえてきませんか?
匂いなどしませんか?
キャラクターが座っている椅子はどんな椅子ですか?
どんな質感ですか?
飲んでいるものはどんな味ですか?
そこをしっかりと想像していくと、そのシーンが「映像」として見えてくるはずです。
それを表現することが出来れば、読者も同じようにそのシーンを「映像」として想像することができます。
小説は漫画と違い、絵がありません。
それを描写という形で表現しなければなりません。
ですが、それを文字だけで読者の頭の中に想像できるように表現することが、作家としての腕の見せ所です。
しっかりと、シーンを映像として描くことができれば、見える物も多くなってきます。
小道具も使うようになるでしょう。
そうすれば、今まで薄かった世界が、奥行きができ、本当にその世界に行ったかのような感覚を読者に届けることができるのです。
いかがだったでしょうか。
今まで、ストーリーや台詞だけの、文字でしか小説を追っていなかったのなら、一度立ち止まり、五感を使ってその世界により深みを出せるようにしましょう。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント