【ストーリーの作り方】物語上の説得力の持たせ方
2023.05.01
小説を書いている中で、設定を語る場合や伏線を張る際に、見せ方によって説得力が変わるというのは意識しているでしょうか?
設定や伏線に関しては見せ方を間違えると、効果が薄くなるどころか、逆に「嘘くさく」なる場合があります。
今回は物語上での説得力の持たせ方について解説していきたいと思います。
最初に結論を言ってしまうと、「百聞は一見に如かず」です。
それでは詳細を解説していきましょう。
情報は見せるのが一番
結論でも書きましたが、説明するにはやはり見せるのが一番です。
「小説に絵は無いんだから無理だろ!」「挿絵を指定しろってことか?」と思ったでしょうか。
そうではなく、「その場面をシーンとして書く」のです。
例えば、「夜な夜な人をさらっていく怪人がいる」という設定があるとします。
この場合は、人々が噂するだけではなく、実際に「怪人が人をさらうシーン」を描くのです。
シーン自体を描けば、怪人の恐ろしさや、さらわれる人の恐怖も描くことができます。
このパターンは、無意識に使っている方が多いので、実際にシーンが描かれることが多いです。
ですので、もう一パターン例をあげてみましょう。
例えば、「今、白いたい焼きが学校で流行っている」という設定があるとしましょう。
これを単にセリフで「最近、白いたい焼きが流行ってるんだってさ」と書いても、「流行ってるんだ」という情報は出すことができます。
ですが、実際に、周りで生徒たちの何人かがたい焼きを食べているという描写をして、「なんか、たい焼き食ってる奴が多いな」というセリフに「ああ、今、流行ってるんだよ。白いたい焼き」とした方が、本当に「流行っている」感が出るでしょう。
また、「ヒロインが実は物凄く強い」という設定があったとします。
これも同じように、噂で「あの子って、凄く強くて、3人相手に余裕で勝ったんだって」というセリフを誰かに言わせるよりも、主人公が歩いていたら、不良が回転しながら飛んできて、壁に激突し、飛んできた方向を見るとヒロインがいる、とした方が、インパクトもありますし、実際に強いというのも読者に伝わるでしょう。
説明するよりも実際のシーンで描くというのは、割と「やってるよ」と思っている方が多いかと思います。
ですが、意外と「やってない箇所」もあります。
また、例を出すのですが、「〇〇先生はナイスバディで生徒にも人気がある」というのを、ついつい地の文で書いてしまいがちじゃないでしょうか。
ここも実際に生徒たちに「〇〇先生、今日もエロイな!」「ああー。先生に叱られたい」みたいな生徒の反応を直接出した方が、よりリアルに伝えられますし、説得力も出るはずです。
確かにこういう部分は細かい上に、台詞で説明する方が簡単です。
ですが、そういう細かい描写が作品のクォリティを上げます。
こういう部分にこそ、他の作品との差を付けられるところです。
なので、積極的に使ってみてください。
ですが、これは相当意識しないと、すぐに台詞で説明してしまいます。
なので、お勧めなのが「推敲」の際に「この台詞(設定)は実際の描写にできないか」と考えながら読み直すことです。
ただ、実際のシーンとして描写することに対して注意するべき点としては、「長々と書いてしまうと逆効果」という点があります。
1行で済む説明に対して、3ページを使って説明していてはページ数は膨れ上がり、ストーリー自体も動かないので、読者の集中力が切れてしまう可能性があります。
ですので、実際のシーンを描く際は「できるだけ短くする」という点も意識してください。
短く、的確に伝えるというのは難しいです。
ですが、それが出来れば文章力が上がっているということです。
文章というのは長くするのは簡単ですが、短く省略するのは難しいです。
短い文章で、多くの情報を盛り込むという練習にもなりますので、是非、直接のシーンとして描くということを試してみてください。
それが身に着いたとき、あなたの作品は他の作品よりも頭一つ抜き出ているはずです。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント