箱書きなんて聞いたこともないし、作るのが面倒くさいと思ったことはないでしょうか。
確かに、箱書きを書いている時間を本編を書く時間に回した方がいいと思うのはわかります。
ですが、箱書きを作った方が、完結させられるのと、クォリティが高くなります。
面倒だと思っても、箱書きに時間をかけてみましょう。
そもそも、箱書きというのはどういうものかというのは下記に書いてますので、読んでみてください。
〈箱書きとは?箱書きの使い方〉
では、最初に箱書きを作るメリットをあげておきましょう。
箱書きを作るメリットは『ストーリーの設計図を作れる』『設定を合わせられる』『キャラの動きを把握できる』と、大きく3つがあります。
ストーリーの設計図を作れる
小説を書き上げることを、険しい山の頂上まで登るとするなら、箱書きは登山ルートの『最適な』ルートを決めるということになります。
初心者の方でやってしまう間違いが、ネタとキャラクターが思いついたので、いきなり書き始めてしまうことです。
これは登山でいうと取り合えず、頂上目指して適当に登ろうとしているのと同じです。
どうなるかは想像に難くないでしょう。
なので、どこを通って登るのか、なにを目印にするのかなどなど、ルートが詳細であれば詳細であるほど、頂上まで行ける確率は高くなるでしょう。
これはストーリーでも同じです。
「誰がどこでなにをした」というものを書いて並べ、矛盾点が無いか、もっと面白くできないかを『視覚的』にとらえて考えられます。
頭の中で曖昧だった案を具体的にすることができ、必要なシーン、不要なシーンを洗い出すことができ、無事に完結させることができるかを確認することができます。
また、箱書きを作り終わり、いざ、本編を書いている最中に『キャラクターが勝手に動き出した』場合、「そのまま進んでいいのか」も箱書きを見ればわかるはずです。
もし、不都合があった場合に、そもそものストーリー展開を変えても、無事に完結できそうかも、改めて箱書きを直すことで、見えてきます。
さらに、シーンごとに「テーマ」から逸れていないかも確認できます。
テーマと全く関連しないようなシーンもカットするか、別のシーンに入れ込めないかも考えやすいでしょう。
設定を合わせられる
〈キャラクターの簡単な作り方について〉でも書かせていただきましたが、キャラクターを作る際には『必要最低限』しか設定しない方がいいです。
なぜかというと、最初に詳細まで確定させてしまうと「応用が利かなくなる」からです。
ストーリーの展開上、「左利きの方が都合がよい」となったり、「母親は失踪していた方がよい」など、ストーリーに沿った都合が出てきます。
その場合、設定を決めてしまっていると、都合のいい設定にはできません。
「そんなのはその時に変えればいいだろ」と思ったでしょうか。
そうですね。
その時に変えればいいです。
ですが、「最初に設定を考えた時間が無駄」になります。
であるなら、「最初から設定の余裕を残しておく」方がいいでしょう。
そして、この「設定の余裕」は箱書きを作る際に、必要となれば追加していきましょう。
さらにこの方式がよいのは、「ストーリーの流れに沿って設定を決める」ので、「ご都合主義」になりづらいという点があります。
「最初から」ストーリーに沿って作られた設定なので、ストーリーを通して違和感が出ません。
ですが、本編を書いている「途中」で、ストーリーに合わせて「設定を変える」と違和感が出て、途端に「ご都合主義」に見えてしまいます。
また、これはキャラクターだけではなく、「世界観設定」でも言えることです。
ストーリーの展開に「世界を合わせて」いくのです。
もちろん、不自然に合わせにいこうとすると違和感になってしまいますが、末端の設定であれば、ストーリーに合わせた設定にするのもよいでしょう。
例えば、主人公に試験を受けさせたいのであれば、試験官は騎士団の団長の方が都合がいいのであれば、そのような設定にしておき、物語の最初から語っておけば、自然な流れになるでしょう。
普通は末端の兵士の合否を決めるのに団長自ら見るということは少ないでしょう。
もしくは、そもそも騎士団の兵士になるにはある程度のコネが必要だったりするのですが、「この世界では団長が試験官を務める」という設定にしておけば、違和感が消えるわけです。
このように、箱書きを作ることで、ストーリーの大筋を作ることができるので、その中で色々と必要な設定も見えてきます。
その設定を箱書きを作るのと一緒に、決めていけばいいのです。
キャラクターの動きを把握できる
箱書きは誰がどこで何をするかというシーンを書いていくので、「キャラの動きが視覚的に見やすく」なります。
つまり、箱書きという表としてパッと確認が取れるのです。
もし、ここで箱書きがなかった場合は、「本編を読み返して」キャラの動きを「頭の中で」整理するしかありません。
さらに本編を読み返さずに、うろ覚えで書き進めてしまうと「このキャラはこのときには、あそこにいたはずなので、ここにいるのはおかしい」という矛盾が生まれやすいです。
そして、その矛盾が発生したまま書いたらどうなるでしょうか?
「作者は何も考えてない。ノリで書いてる」と読者に思われてしまうのです。
そんな作品に、読者がのめり込むことができるわけがありません。
小説というのは「創作」です。
そこに矛盾が出てしまうと一気に、「作られた物語」だと思い出し、冷めてしまうわけです。
いかがだったでしょうか。
箱書きを作るというのは確かに面倒ではあります。
ですが、面倒な分、作成することのメリットは大きいです。
また、慣れると箱書きもスムーズに作れるようになります。
そうなれば、物語を作る力も上がっているということです。
小説を書く基礎力をあげるためにも、箱書きを作るようにしてはどうでしょうか。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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