あなたが小説を書いているとき、「主人公をピンチにさせたい」と思って、モブキャラを使うことが多々ありますよね?
ですが、その展開の仕方が「強引」「ご都合主義」と突っ込まれたことはありませんか?
それはモブキャラの作り方、行動の仕方が間違っているからです。
「モブだから」と気を抜いてませんか?
読者はモブでも、「おかしな行動をとる」と途端に冷めてしまいます。
モブといえども「登場人物」なのです。
しっかり作り込みましょう。
今回はそんなモブの作り方について解説します。
最初にモブの作り方の結論を言ってしまうと、
モブも一人の人間として考えることです。
それでは詳細を解説していきましょう。
キャラではなくストーリーの都合で動かしてしまう
モブを登場させるときというのはどういうときでしょうか?
おそらくは「ストーリーをこっちの方向に誘導したい」「こういう説明をしたい」というときではないでしょうか。
「ストーリーをこっちの方向に誘導したい」という場合、「誘導するため」にそのモブキャラを使うので、「誘導するための行動や言動をする」と思います。
ですが、ちょっと待ってください。
その行動は、本当に「そのキャラクターがやりたいと思ってしてる」ことですか?
ストーリーを動かすことだけ考えての行動じゃないですか?
「誘導するための行動させるためのモブ」なんだから、当たり前だろと思うかもしれません。
ですが、読者から見るとモブであろうとも『登場人物』です。
突飛な行動をとると、気持ち悪さを感じます。
なので、「モブだから」といって、手を抜いてはいけません。
では、モブにもキャラクター設定を作っていくのか?というと、そうではありません。
人間としておかしな行動さえとらなければいいだけです。
それでは実際に例をあげて解説していきましょう。
異世界転生もので考えてみます。
「異世界から召喚した人間は、魔王にも匹敵するスキルを持っている可能性がある」ということがわかっています。
王様はそのことを信じて、魔王を倒してもらうために異世界から人間を召喚しました。
さて、この2行を見て違和感がありましたでしょうか?
この設定、一見すると「なんだ、よくある設定じゃないか。そもそもその設定が無いと始まらないじゃないか!」と思うかもしれません。
ですが、これは「物語の都合」での行動で、王様が望んでやったようには見えません。
一旦、王様の立場になって考えてみてください。
「魔王に匹敵するスキル」を持った人間を召喚するのです。
召喚した人間が聖人君主とは限らないのです。
下手をすると「魔王が2人」になる可能性があります。
また、城の中で召喚して、召喚された人間が極悪人であれば、最初に滅ぼされるのはその国になります。
あなたが王様の立場だったら、「無策」で「召喚に立ち会い」しますか?
まずは「安全策」を考えた上で召喚しませんか?
もしくは部下に召喚させませんか?
激戦区の最前線に司令官は行きませんよね?
しかも、中には「集団で召喚する」という作品もあります。
さらに、召喚した人間たちに「理不尽なことを当然のように押し付ける強気な発言」をすることもあります。
例え、「外れのスキルを持つ人間が多かった」としても、「集団」で呼んだ場合、結託され、反乱を起こされる可能性があります。
なぜなら、「同じ場所から来た人間達」です。
初めて見た人間と、同じ状況の人間とでは、あなたならどっちと手を組みますか?
このような状況になった場合、その場にいる兵士たちで抑えきれる可能性が高いとは思えません。
もしかするとその中に「当たりのスキル」を持った人間もいる場合もあるのです。
この場合、その王様があまり頭がいいキャラではないのかもしれません。
ですが、王の側近まで「全員が頭が良くないキャラ」ばかりというのは、あり得ないのではないでしょうか?
絶対に、誰かが止めるはずです。
(誰も止めないような側近だらけなら、そもそもその国はとっくに崩壊してると思います)
「物語を都合よく進める」ことしか考えないと、平気でこのような行動をモブにとらせてしまいます。
人がしないようなことを「ストーリーの都合」でやると、途端に「ご都合主義」と言われてしまうわけです。
最善の行動をする
それではどうすればそれを避けることができるのかを解説していきます。
それは、「そのキャラにとって最善の行動をする」です。
人間というのは何の得にもならないことを、わざわざやりません。
なんの考えもなく、行動を起こしません。
あなたも行動するのは「得がある」もしくは「必要である」からでしょう。
ならば、モブでも、同じように「得がある」もしくは「必要である」から行動させればいいのです。
例えば上の例でいうと、召喚の儀式に「王様が必要」という設定にすれば、「召喚に立ち会う必要」が出てくるので、その場にいてもおかしくはありません。
もしくは、「召喚者はその世界で初めて見た人間に服従する」という設定があれば、「召喚に立ち会う得」があるので、その場にいることが当然になります。
同じ行動をするにしても「得」や「必要性」を示せば、違和感はなくなります。
つまり、単に行動させるだけではなく、「理由」も示すだけで、グッと人間らしさが出て、「ご都合主義感」が消えます。
まずは、モブだったとしても、「主人公や主要キャラと同じように」そのキャラの気持ちになって行動させるといいでしょう。
いかがだったでしょうか?
モブだからといって、何気なく登場させていないでしょうか。
そういう細かい点でも読者の離脱に繋がります。
せっかく、心血注いで作り上げた物語です。
細部にまで気を配り、素敵な物語にしましょう。
それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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