小説を書いているとネタが思いつかないということは誰しも一度は経験したことがあるかと思います。
また、せっかくネタを思いついたとして、それが「いいネタ」なのかの判断がつかない、なんてこともあるのではないでしょうか。
新人賞では80%はネタで決まると言われています。
デビュー作はネタが命という話ですね。
(続く作品にする場合はキャラクターが命になるのですが、それはまた別の機会で解説します)
今回はそんな重要になるネタの作り方と、いいネタなのかの判断の仕方を解説していきます。
この記事を読めば、いいネタを作れるようになりますので、是非、ストーリー作りの参考にしてみてください。
最初に結論を書いておきますと、ネタは思いつくものではなく、複数を組み合わせて作り出すものです。
それでは詳細を解説していきましょう。
ネタは簡潔に説明できなくてはならない
まず最初に、「いいネタ」というものがどういうものかを考えていきましょう。
例えば、あなたが書いた作品のネタを説明してくださいと言われたら、どういう説明をするでしょうか?
転生した主人公が神から能力をコピーするというスキルを貰って、それで俺強ぇをして、可愛い女の子が仲間になって、その仲間のヒロインが実は魔王の娘で、そのヒロインと結婚をしたいと思って、魔王である父親になんとか認められようとする話。
…どうでしょうか?
頭に入ってきますか?
簡単に説明しようとしてもこれだけの要素があるわけです。
実際の本編では、この内容をさらにストーリー仕立てで説明していくので、さらにわかりづらくなります。
そして、この説明をパッと聞いて、面白そうかどうかすぐに判断できるでしょうか?
まずはどういうストーリーなのかを頭の中でかみ砕いて、整理して、そして面白そうか判断するという流れです。
このストーリーに意見を求められた際に、友人であればちゃんと考えるかと思いますが、他人ならどうでしょうか?
面倒くさくなって「まあ、いいんじゃない?」くらいの適当な返答をしてしまうのではないでしょうか?
さらに、新人賞など、多くの応募作がある中では、考える前に「落としてしまう」ということも可能性が高いです。
では、どういうネタがいいのでしょうか?
それは簡潔に言えることです。
例えば鬼滅の刃を考えてみましょう。
鬼滅の刃は「鬼にされた妹を人間に戻すために鬼と戦う話」です。
ONE PIECEは「悪魔の実を食べたゴム人間が海賊王を目指す話」です。
るろうに剣心は「伝説の人斬りが人を殺さずに人助けをする話」です。
鋼の錬金術師は「錬金術で体を失った兄弟が体を取り戻す話」です。
バキは「地上最強の生物である父親を倒すために強さを求める話」です。
このように、作品の売りであるネタをパッと説明できるということはそれだけ、ネタが強いということです。
そして、推しとなるネタの要素は多ければいいというわけではありません。
多いと返って、どれが推しのネタなのかわからなくなり、ストーリー自体もごちゃごちゃになってしまいます。
逆に、単純な要素であればあるほど、引き立たせるのも簡単になってきます。
あなたの作品のネタは、一言で説明できますか?
できないのなら、まだ、要素が絡み合っていて整理できていないことになります。
この状態で書き始めればどうなるかは、想像に難くないでしょう。
まずはあなたが思いついたネタを一言で説明できるかを考えてみましょう。
もし、そもそも、物語のネタを一言で説明するというのが難しい場合は、好きな作品を上のような感じで、一言で説明してみてください。
この練習はネタの考え方でも使えるので、是非、やってみてください。
ネタは組み合わせる
では、次にネタを作る方法を考えてみましょう。
あなたはネタを考えるとき、どうしてますか?
何となく、ネットサーフィンをしているときや作品を見ているとき、歩いていると不意に思いつく、という感じでしょうか?
もちろん、その作り方が悪いというわけではありません。
ただ、考えてみてください。
もし、思いつかなかったらどうしますか?
思いつくまで待つのでしょうか?
デビュー前であれば、それでもいいかもしれません。
ですが、いざデビューし、デビュー作が完結した後、次回作を書きましょうとなった際に「思いつかなかった」らどうなるでしょうか?
思いつくまで待ってもらえるでしょうか?
あなたが書けないなら、出版社は待つしかありませんが、そもそも出版社は多くの作家を抱えています。
そんな出版社があなたが思いつくのをずっと待つでしょうか?
十中八九、他の作家さんに出版の話を持って行くでしょう。
そうならないためにはどうするか?
それは、「自分で作り出せる」ようにしておかなければなりません。
デビューさえすればいいというのであれば問題はありませんが、作家として食べ続けるのであれば、ネタを作り出す能力というのは必須な能力になります。
では、実際に作り方を考えていきましょう。
世の中にはすでに、星の数ほどの作品が生み出されています。
その中で「新しいネタ」を作り出すのはかなり難しいです。
例えば「ボクシング」というネタであれば「あしたのジョー」「はじめの一歩」などなど、すでにたくさんあります。
「サッカー」「野球」「テニス」などスポーツものは、数えきれないほど作品があります。
「アメフト」では「アイシールド21」がありますし、最近はカバディなども漫画になっています。
ですので、「単体」のネタでは、まず新しいネタを探すのはほぼ不可能でしょう。
そこで、2つを組み合わせるという方法を使うわけです。
NARUTOを考えてみましょう。
NARUTOは「忍者」だけではないです。
NARUTOは「忍者」と「九尾という化物が中にいる」という要素があります。
つまり「九尾という化物が中にいる忍者が火影を目指す話」ということになります。
ONE PIECEも「海賊」と「悪魔の実」という要素が組み合わさっています。
BLEACHは「死神」と「刀」です。
死神と言うと鎌というイメージがあったのを逆手に取ったわけですね。
このようにありきたりなネタでも、組み合わせることで新しさや意外性を出すことができるようになります。
パッと思いついた2つの要素を組み合わせてみましょう。
きっと、今まで考えもしなかったネタを「作り出す」ことができるはずです。
そのためには普段から、売れている作品から要素を出すというのをやっていくと、練習にもなりますし、ネタが被っているということも、ここで知ることができ、回避できます。
いかがだったでしょうか?
ネタは思いつくものだと思っていませんでしたか?
今日からは「ネタは作るもの」という意識で、日々、ネタ作りに励んでみてください。
それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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