以前、対決シーンを盛り上げる方法1で、対決シーンの途中で過去シーンを入れるという解説をしました。
こちらは下記の記事で解説していますので、読んでいない場合は先に読んでみてください。
〈簡単!対決シーンを盛り上げる方法1〉
今回は上記で解説した方法ともう一つの対決シーンを盛り上げる方法を解説したいと思います。
この方法は1の方法のように1回しか使えないわけではありません。
基本、対決シーンではこの方法を使った方がいいです。
最初に結論を書きますと『シーソーゲーム』にするという方法です。
では、詳細を解説していきます。
逆転がシーンを熱くする
簡単に言うと何回か、状況を逆転させるという方法です。
この方法も、漫画や映画などでもよく使われる方法になります。
逆に有名な作品でこの方法を使っていない作品はないのではないでしょうか。
わかりやすいのと、使いやすいのは『スポーツもの』です。
これは試合で有利か不利かを何度か逆転させればいいわけです。
強豪と戦う時は、この何度も状況が逆転することで、読者は物語に没頭していきます。
よくある展開は、最初に主人公チームが点数を取り、その後、相手チームに大幅に逆転され、そして、さらに主人公チームが逆転すると言う形です。
これを何度も繰り返すので、参考になるのはアニメ映画化が決まった「スラムダンク」です。
スラムダンクの山王戦はまさに、シーソーゲームの連続でした。
逆に最初に圧倒的に点数を取られて、それをなんとか逆転するというもので参考になるのは「アイシールド21」の神龍寺、王城、クリスマスボウル戦でしょう。
途中で何度か、追加点を取られますが、基本的には圧倒的に敵の強さを見せつけた上で、「逆転できるのか?」という形で展開を盛り上げる方法です。
まとめますと、必ず「主人公チーム」が1度は不利にならなければなりません。
これと真逆の作品が「俺強ぇ」と呼ばれる、主人公が圧倒的に強いという設定の物語です。
もちろん、その「俺強ぇ」作品でも人気の作品があります。
ただ、この作品の場合は「対決シーン」が見せ場の物語ではないので、成立するのです。
「俺強ぇ」作品の場合は対決シーン以外に、「ハーレム」や「成り上がり」など、別の要素で物語を引っ張っています。
なので、「俺強ぇ」作品を書く場合は、対決シーンとは別に、「売り」となる要素を考えないといけないでしょう。
あと、もう一つ、「俺強ぇ」作品で有名なのが「ワンパンマン」です。
こちらは元祖「俺強ぇ」作品ですが、「バトルもの」になっています。
つまり「対決シーン」が売りとなっています。
ですが、ワンパンマンの場合は主人公ではなく「仲間と敵」のシーソーゲームになっています。
なので、「バトルもの」を書く場合は必ず、なにかしらの「シーソーゲーム」を入れた方が盛り上がるでしょう。
シーソーゲームの内容について
逆転を繰り返せば盛り上がると書きましたが、単に状況がひっくり返るだけではいけません。
スポーツものでも、単に点数を取られる、取り返して逆転する、また取られる、最後に大逆転するという『点数だけでのシーソーゲーム』でいけません。
点数だけコロコロと入れ替わっても、盛り上がりません。
なぜかというと読者は『飽きる』からです。
ただ、点数を重ねるだけでは「同じ展開」になってしまうため、『飽きて』しまうのです。
では、どうすればいいのでしょうか。
それは逆転するための『要素』や『きっかけ』『作戦』などが必要です。
つまり、逆転するための点数を取る際に『主人公があることに気づいた』からこそ、『点が取れる』という形です。
もちろん、これは「敵側も逆転する理由」が必要です。
再び、スラムダンクを例にしてみましょう。
※ここからスラムダンクの山王戦のネタバレがありますのでご注意ください。
最初に湘北はアリウープを決め、前半は有利に進めます。
これで「いける」と読者に思わせておき、後半のスタートから山王が「ゾーンプレス」を行います。
これで、20点以上の差がつき、湘北は心が折れ掛けます。
そんな中、湘北の流川が「パスをする」ことでチームが動き、山王を追い上げます。
すると今度は山王の沢北が「本気を出し、個人技」でさらに点を取り返します。
さらにこの後、花道の「リバウンド」を取ることで、追い上げていきます。
これが「点数を取る際の理由」の部分になります。
「理由を作って」シーソーゲームをしましょう。
単に、「諦めずに頑張ることで相手の隙を見つける」という方法は使えても1回くらいでしょう。
また、能力の覚醒に関しても、1回の戦闘では1回くらいにしておきましょう。
1つのバトルの中で超サイヤ人に目覚め、その後、すぐに超サイヤ人2になる、という展開は止めましょう。
というのも、なぜ最初に「超サイヤ人2にならなかったのか」ということも疑問になりますし、何度も能力が解放されれば、ピンチになっても「また能力が解放するんでしょ?」と、興ざめしてしまいます。
これは「ヘタッピマンガ研究所R」の中で、『HUNTER×HUNTERの冨樫義博先生』が対決シーンは「コント」と表現していて「登場人物がそれぞれ出したことに、順番に突っ込みをしていく」と表現しています。
これは登場人物が「最善の策」を出していき、それを上回る「オチ」である「大どんでん返し」を主人公がやる、と言っています。
この登場人物の「最善の策」を出していくという点についてはまた、別途、解説したいと思います。
これはバトルシーンだけではなく、頭脳戦や恋愛のかけ引きでも使える手法になります。
このシーソーゲームを入れることで、対決シーンを盛り上げてみましょう。
それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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