見せ場である対決のシーンが、どうにも盛り上がりに欠けることがないでしょうか?
特に小説などでは、文章なのでアクションシーンの描写は難しいため、ラノベなどでは対決シーンではなく日常の会話シーンの方に力を入れている作品も多いです。
ですが、対決シーンというのは作品の見せ場です。
そんなシーンをさらに盛り上げることができれば、あなたの作品は一段階レベルアップすること間違いなしです。
盛り上げる方法は2つありますが、今回はその1つ目を解説していきます。
最初に結論を言ってしまうと、「対立シーンの『途中』で過去シーンを入れる」です。
では、細かい解説をしていきましょう。
挿入場所が重要
過去シーンを入れるという方法は、よく漫画で見られる技法になります。
戦っている途中で回想に入るというものです。
これを聞いて、「なーんだ、そんなことか」と思ったでしょうか。
そうなんです。
この技法は本当によく使われます。
つまり、よく使われるということは「効果的」なのです。
ですが、考えてみてください。
小説ではあまり使われていないのではないでしょうか?
あなたの作品で「対立の途中で過去シーン」を入れているものはありますか?
そう言われるとあまり使っていないのではないでしょうか。
それはなぜかと言うと、小説の場合は「時系列を無暗に変えない」というのが基本です。
その基本にのっとって、対立シーンという重要なシーンでは時系列を変えたりしないのではないでしょうか。
ただ、注目して欲しいのは「無暗に」変えない、です。
つまり、必要なところでは変えていいのです。
では、なぜ、対立シーンの「途中」がよいのでしょうか?
一見すると、対立シーンという見せ場で回想なんて入れると、シーンが止まってしまうというデメリットがあります。
確かにそのデメリットはあります。
ですが、それ以上に効果があります。
というのも、対立シーンは見せ場であり、読者も『集中』して読むところです。
その集中状態のまま、回想シーンを読んでもらえるというわけです。
同じ回想シーンを入れるにしても、対立シーンの途中で入れる場合は、日常シーンのどうでもいいときに入れる場合では、読者の中の印象度も違ってきます。
そして、回想シーンでさらに盛り上げた感情で、また対立シーンに戻って来るので、読者からしてみたら、盛り上がった状態で続きを読むことになります。
入れるシーンは目的の確認シーン
次に、回想シーンにはどういうシーンを持って来ればいいのかです。
もちろん、全然関係ないシーンを入れてはいけません。
逆効果です。
ここで入れるシーンは「なぜ、主人公は勝たなければならないか」という理由になるシーンです。
例えば、「ヒロインと勝つと約束している」「母親の想いを背負っている」「妹が家で待っている」などなど、主人公が『負けられない理由』の部分です。
これは既に提示している部分でもよいです。
ただ、新たにその理由を「語っている」シーンを出せばよいです。
例えば、スポーツもので「負ければ引退」という理由があったとします。
これは試合前にわかっているとします。
ここで、試合中に入れる回想シーンは、「ヒロインに絶対に勝つと約束している」シーンになります。
さらに入れるシーンは必ず「会話シーン」にしてください。
なぜ、会話シーンかというと、「感情が出る」からです。
登場人物の感情が高まれば、読者の感情も高まります。
逆に説明文だと読んでいて苦痛になりますので、マイナス効果になってしまうのでやめましょう。
短く簡潔に
入れるシーンは必ず最小限にしてください。
上でも書いてますが、「回想シーンを入れる」ということは、現在のシーンを「止める」ことになります。
その間は物語が動かないことになります。
読者としては「早く次の展開が見たい」と思っている中で、止めすぎるのも冷めてしまいます。
なので、シーンはより簡潔に、かつ感情が最高潮に盛り上がるシーンを選んで入れてください。
回想シーンで、改めて「主人公が負けられない」という状況を読者に確認してもらい、読者にも「負けれらない」という思いを持った状態で対決シーンを描けば、読者の感情が盛り上がるわけです。
素早く感情を盛り上げて、戻ってくるようにしてください。
なので、このシーンはじっくり考えて選定するようにしましょう。
また、ある程度のバックボーンはこのシーンの前に出しておくようにしましょう。
今まで全く伏線も描写もなく、突然、今まで出てきてもいなかった過去の話を出しても、読者は戸惑ってしまいます。
過去を「補強する」くらいの状態にしておきましょう。
1作品に1回だけ
まず、最初に注意点として、この方法が使えるのは1作品に1回だけにした方がいいでしょう。
盛り上がるからといって、対立のシーンを描くごとに入れていると、読者は飽きてしまいます。
どんなにいい技法でも使い過ぎれば逆効果になってしまいます。
なので、使うべき箇所はラストの対立シーン、もしくは中盤の大事なシーンにするべきです。
1度きりの、見せ場で対立シーンを盛り上げてみましょう。
この技法はバトル漫画でよく見られます。
使ってないバトル漫画を探す方が難しいほどでしょう。
ですが、この技法を使っていない有名なバトル漫画があります。
それは「ドラゴンボール」です。
ドラゴンボールはキャラの目的は「地球を守る」という単純なものです。
また、キャラクターの心情も掘り下げません。
純粋に「バトルの描写のみ」で盛り上げています。
ここがドラゴンボールがレジェンドと呼ばれる所以なのでしょう。
では、ドラゴンボールでは、どうやってバトル描写で盛り上げているかというと、それは簡単!対決シーンを盛り上げる方法2の方で書きたいと思います。
それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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