ゲームシナリオライターの仕事内容について

転職前にやるべきこと

小説やシナリオの勉強をするうちに、実際にシナリオで食べていきたいと思ったとき、ゲーム会社のシナリオライターになりたいと思う人は多いのではないでしょうか。

ですがその反面、ゲームのシナリオライターはどんな仕事をするのかが気になると思います。

ずっとシナリオだけを書いていればいいかというと、違う場合が多いです。

今回はシナリオライター歴10年以上の私が、今までどんな業務をしてきたのかを解説していきます。

社員とフリーランス

まず最初に同じシナリオライターといっても、『社員』と『フリーランス』では、業務内容が全く違います。

フリーランスの方が、あなたが思い描くシナリオライター像に近いでしょう。

フリーランス

会社からシナリオ作成の依頼があり、そのシナリオを書いて納品するという流れです。

主な依頼内容は「メインストーリー」「イベントストーリー」「キャラクターストーリー」のシナリオです。

その依頼されたシナリオを、指定のフォーマットと指定された条件で執筆していくことになります。

注意していただきたいのが、条件を満たせば、好きにストーリーを作れるというわけではないということです。

この辺りは書くと長くなりますので、別の機会に書きたいと思います。

ずっと、シナリオだけを書いていたいというのであれば、フリーランスの方を目指すのがいいかもしれません。

ただ、このフリーランスにも、もちろんデメリットはあります。

フリーランスのメリットデメリットについて書いておきます。

まず、メリットですが、上でも書いたように「シナリオ」を書けるというものです。

あとは時間に縛られないというところでしょうか。

もちろん、納期があるので、それに間に合わせなければなりませんが、逆に言うと納期さえ守れれば、いつ書いてもいいわけです。

会社勤めのように朝10時までに会社に行き、8時間業務をするということをしなくていいのです。

次にデメリットです。

まず、そもそも依頼を貰うのが難しいという点があります。

ゲーム会社に営業メールを送ったとしても、十中八九、無視されるでしょう。

そして、逆にゲーム会社からシナリオを書いて欲しいと依頼が来るというのは、あなたが相当有名、つまり売れっ子作家である場合のみです。

では、新人がこの中に入るのは無理なのかというと、ほぼ無理と言っていいでしょう。

よく、「単価を安くすれば依頼してくる」のではないかという人がいます。

昔であれば、安さで勝負することもできました。

ただ、今のゲーム業界は激戦地帯で、昔のように「出せば売れる」時代が終わってしまったのです。

現在は、「面白いゲーム」「売りがあるゲーム」でないと、売れません。

「とりあえず付ける」程度のストーリーでは、返ってマイナスになってしまいます。

なので、経費を浮かせるために安いライターを使うということが極端に減ってしまいました。

また、ストーリー自体も「質」を重視するようになり、有名作家やプロ作家に依頼するということが主流となっています。

ですので、実績が何もない状態では依頼を貰うのは厳しいでしょう。

そして、何より収入が安定しないというのもデメリットになりそうです。

あくまで、依頼されたシナリオに対しての単価ですから、毎月、決まった額を受け取れるわけではありません。

フリーランスの場合は副業でやるくらいにした方がいいかもしれません。

社員

次に社員で入った時のライターの仕事内容についてです。

上のフリーランスのところで書いたとおり、ストーリーのシナリオは作家に依頼するため、シナリオを書くという機会はあまりありません。

では、何をするかというと、かなりマルチタスクになっていきます。

なぜ、そうなるかというと、社員の場合、毎月の給料が支払われます。

そのため、「給料に見合う分の仕事量」を月々、こなさなくてはなりません。

また、ライター業の花形であるストーリー周りは作家に依頼するため、残ったライティングの業務や、これはライターの仕事なのか?と疑問に思うような仕事もやることになります。

社内のライターの人数とゲーム会社の組織の内容にも寄りますが、場合によっては「多少ライティングができるプランナー」というような立ち位置になることも少なくありません。

なので、文章を書く仕事を任されることが多くなります。

では、実際、どのような仕事するのかの内容を書き出してみます。

・キャラクター、アイテム、武器等のフレーバー作成

・キャラクターやストーリーの台本作成

・スキル名、ジョブ名、クラス名などの名称作成

・お知らせやTwitterの文章作成

・作家などの外注管理、スケジュール調整

・納品されたシナリオのチェック

大体はこのような感じでしょうか。

中にはゲーム内のマスターデータの作成や、ストーリー演出のスクリプト作成も場合によっては任されることもあります。

このように、ライターの業務だけでは月のタスク量が埋まらず、様々な作業をこなす必要性が出てきます。

ですので、シナリオしか書けない、文章を書く仕事しかしないという心構えでは、ゲーム会社にシナリオライターとして入るのは難しいでしょう。

下手をすると1年以上、シナリオを書かないということもざらにあります。

作家から納品されてくるシナリオの確認ばかりするということも少なくありません。

なので、『自分が考えた物語が書きたい』というのなら、ゲームのシナリオライターではなく、小説家を目指した方が良いかもしれません。

では、社員のシナリオライターのメリットデメリットも書いていきます。

メリットとしては、給料が安定しているというのが大きいでしょう。

依頼がなければ収入が0なんてことはなく、日々、業務をこなしていれば給料が出ます。

様々な会社の福祉も受けることができ、生活も安定するでしょう。

デメリットしては、シナリオを書く機会が少ないといったところでしょうか。

想像していた仕事内容との差に打ちのめされるかもしれません。

社員ということで、会社に時間を拘束されるので、趣味で書いていた小説も時間がなくて書けなくなるなんてことも普通にあります。

ゲーム会社は忙しい時期と暇な時期の差が結構、激しいです。

忙しい時期は朝の始発で帰るなんてこともあったりします。

ですので、漠然と「シナリオを書けるシナリオライターになりたい」と考えて、ゲーム会社に入社するのではなく、自分で色々と情報を集め、それでもシナリオライターになりたいと決意してゲーム会社に入ることをお勧めします。

現に、私も安易に「シナリオを書けるシナリオライターになりたい」と考えて、ゲーム会社に入ったクチです。

やはり、当初は理想と現実のギャップに打ちのめされました。

あなたはそうならないように、しっかりと調べた上で、後悔のないようにしてください。

それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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