ゲーム会社未経験からゲーム会社に転職しようとする際、「実際に作った」という経験があるのとまったくの「未経験」では受かる確率は違ってきます。
ゲームを作ったことがあるということは、ゲーム作成の流れを知っているという点や人をまとめるといった能力があるということもアピールできます。
では、ゲームを作りたい。でも、何から始めればいいのかわからない。
今回は個人的にゲームを制作する場合、どうすればいいのかを解説していきます。
ゲーム制作における必要な要素
ゲーム制作にあたり、必要な要素は下記になります。
・システム
・イラスト
・ボイス
・サウンド
・シナリオ
・UIデザイン
・プランニング
・管理
作るゲームによっては要素の増減はありますが、大体、上記の要素を抑えておけば大丈夫でしょう。
どんなゲームにするか
ゲーム制作にあたり、まず考えなくてはならないのが「どんなゲーム」にするかです。
小説や漫画、シナリオを書く際もまずは「どんな話にするか」を決めるかと思います。
それと同じで、どんなゲームを作りたいかを決めます。
何ができるかを考える
どんなゲームを作りたいかが決まったら、あなた自身、何ができるかを考えてみましょう。
シナリオを書けるのか、イラストが書けるのか、プログラムが組めるのか、または複数できるのかなど自分のスキルを洗い出してみましょう。
特に考えなくてはならないのが「管理」ができるか、です。
いわゆる、全体を仕切ることができるかを考える必要があります。
もし、人に指示を出したり、スケジュールを組むのが苦手といった場合は「企画者」にはならない方がいいでしょう。
ゲームを作っている団体で募集があれば入れて貰う方がいいです。
必要な要素を洗い出す
どんなゲームにするかが決まったら、次に必要な要素を洗い出していきます。
どんな素材がいるかの精査ですね。
たとえば、ボイスは入れない、BGMはフリー音源を使うという場合であれば、サウンド周りを作る人はいなくても大丈夫ということになります。
画面に関してもフリーで提供されているアプリなどを使うのであれば、UIデザインやシステム自体、新たに組む必要もなくなります。
逆にすべてをオリジナルで作成するといった場合は、すべての要素が必要になってきますので、どんな素材が必要かをピックアップしていきましょう。
最初は最小限に
いきなり全てをオリジナルで作ったり、壮大な長編を作ろうとすると絶対に失敗します。
ゲーム会社でさえ、仕事としてやっていても、頓挫する場合があるくらいです。
これが個人で無償で作るとなった際は尚更です。
理想は最初は一人で作ってみるのをお勧めします。
シナリオでも初心者は、まずは10枚シナリオから始めます。
小説でもまずは短編から書いていくのと同じです。
いきなり120分のシナリオや小説の長編を書こうとしても、余程のモチベーションがないと完成まで辿り着けません。
まずは完成させる「経験」が重要です。
一度、完成させることができれば、「どんな素材が必要か」と「どんな作業が発生するか」がつかめます。
あらかじめ、そこがわかっていれば計画も、スケジュールも組みやすくなってきます。
また、完成させるメリットとしては「どのくらい大変か」がわかることです。
ゲーム制作の場合、どのくらいその作業に時間がかかるのかを把握するのは必須です。
よくある失敗が指示する人が作業内容を把握していないことです。
これによってなにが起こるかというと、無茶苦茶な指示を出して、担当者のモチベーションを下げることです。
たとえばライターに「キャラの性格を変えても直すの簡単でしょ」と言ったり、イラストレーターに「色を変えるくらい簡単でしょ」と言ったり、システムエンジニアに「このくらいの仕様変更は簡単でしょ」と言ったりすることです。
実際、自分でやったことがあれば、そんなことは絶対に言わないのでしょうが、経験したことがないと簡単に見えてしまうのでしょう。
たとえ、自分がやったことがない作業に関してをお願いするときは担当者に「こういう作業をお願いしたいのだけど、どのくらい時間かかりそうか」を聞くという癖をつけておくといいです。
ゲーム会社でも、たまたま担当したゲームが当たり、ディレクターまで昇進して天狗になり、無茶苦茶な指示をする人がいます。
大体、こういう人がリーダーになるとゲームの開発期間が延び、ついにはプロジェクト閉鎖なんていうことも何度も見てきました。
そのくらい、ゲーム制作は大変なのです。
なので、まずは簡単なものでも一つ完成させる経験を積むことから始めましょう。
人を集める
要素を洗い出したら、今度は人を集めます。
ここで注意が必要なのが、一気に全員を集めようとしてはいけません。
必ず必要になったタイミングで、各担当者を募集していきましょう。
というのも、入ったタイミングが一番モチベーションが高いわけです。
たとえば、イラストレーターを募集して、来てくれたとします。
ですが、ストーリーはおろかキャラクター設定すらできていない状態だったとしたら、入ってきてくれたイラストレーターは動けません。
いきなり「待ち」の状態になります。
そうすると、せっかく高いモチベーションだったのが、低くなっていきます。
最悪なのは、キャラクター設定ができて、いざ描いてほしいとなった際には、違うことを初めてしまって脱退するなんてことも起こりえません。
これはエンジニアにも言えます。
せっかく入ってきてくれたのに、仕様が決まっていないのでは、ただ待つだけになってしまいます。
ですので、ちゃんと「作業ができる環境が整ってから」募集を始めましょう。
たしかに、「来てくれるか心配」というのもあるでしょう。
全員がそろった状態で始めたいというのもわかります。
ですが、人間は「待つことが嫌い」です。
せっかく来てくれたのに待たせるという状況を作るのは、逆に失礼に当たります。
それに、もし来てくれなかった場合はフリー素材などを使えないかという視点で検討していくのも、企画者としての手腕になっていきます。
集めるメンバーの順番としては下記の流れがよいでしょう。
1.プランナー(システムの仕様をきる。主に企画者がこのポジションになることが多い)
2.管理者(スケジュールを組んだり、連絡係、全体の進捗の管理する人。主に企画者がこのポジションになることが多い)
3.シナリオライター
4.エンジニア
5.UIデザイナー
6.イラストレーター
7.サウンド関係
進行具合によっては前後しますが、1のプランナーと2の管理者は最初に募集してください。
仕様の内容とスケジュールが出来てから、他の担当者の募集をしてください。
管理シートを作る
ゲーム制作を開始したら、絶対に作らないといけないのは管理シートです。
管理シートには「なんの素材が必要か」と「どんな作業が必要か」を記載して、そのスケジュールの日程を当て込みます。
スケジュールを組む際は、必ず各担当者と相談してから決めてください。
絶対にあなただけで、勝手に組んではいけません。
諍いの元になってしまいます。
ここで注意なのですが、その管理シートは全員に共有しましょう。
管理者だけが自分だけで管理してはいけません。
なぜかというと、どのくらい進んでいるかがわかる方が、各担当者のモチベーションも上がってくるからです。
黙々と自分の作業をしていて、他の部分はどうなっているのかわからない状態だと、本当に完成するのだろうかという疑念が頭によぎります。
そうなってくるとモチベーションも下がってくるわけです。
また、全員に共有する利点としては、担当者に「責任感が出る」ということです。
スケジュールに沿って動いていると、自分だけ遅れてしまうと「いけない」と思います。
そうすれば、多少、面倒くさいときでも「やらないと」という意識になります。
この積み重ねによって、スケジュールが守られていきます。
さらに、工程を見せることで、自分の遅れが他の人の遅れに影響してしまうというのも、視覚化されることで意識するようになります。
たとえば、仕様ができていないとエンジニアが作業ができません。
仕様をきるプランナーの遅れが、エンジニアの遅れになると認識できます。
シナリオが遅れれば、キャラクターデザインをするイラストレーターの遅れが出ます。
こういう部分を可視化していないと「まあ、少しくらい遅れてもいいや」となってしまい、結局、全体的に遅れが出て、最終的には計画が頓挫してしまいます。
また、スケジュールを組むことで、担当者も自分の予定を組みやすくなります。
この時期は本業が忙しいなど、言いやすくなりますし、この日は多く休みが取れるから作業を進められると考えることができるというメリットがあります。
ゲーム会社でも必ず最初にスケジュールをきります。
正直に言って、このスケジュールをうまく組めるかどうかでゲームが完成できるか、未完で終わるかが決まると言っても過言ではありません。
仕事ではなくプライベートでゲームを作成するなら、尚更、細かくスケジュールを組んでいきましょう。
以上が、ゲームを作る際の最初に考えるべきフローになります。
いかがだったでしょうか。
少しでもあなたの参考になっていただければ、幸いです。
それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。