キャラクター設定が完成すれば、次はセリフを作る必要が出てきます。
一体、どのようにしてセリフを作って台本化していくのでしょうか。
今回はソーシャルゲームのキャラクター台本の作り方について解説していきます。
こちらは開発段階の台本のフォーマットを決める際に役立つ記事になります。
現在、すでに運用に入っていて現状の台本がある場合は、その台本の形式に沿って作成してください。
ただ、現状の台本が使いづらい、見づらいという点があるのであれば、この記事を参考に改良してみるのもよいでしょう。
キャラクター台本の重要点
最近のソーシャルゲームではボイスが入っているのが当然となってきました。
逆に入っていないとマイナスと思うユーザーも増えてきています。
そこでボイスと切って切り離せないのが台本です。
※今回はストーリーパートの台本ではなく、キャラクター個別のフレーバーの台本の話になります。
台本は声優さんにお見せする「外部資料」であると同時に、プロジェクト内の「セリフを確認」するための資料にもなります。
また、外注ライターさんにキャラクタークエストなどを発注する際は、添付することになります。
つまり、台本というのは自分だけが見るのではなく、大勢の人間が見る「資料」になります。
ですので、見づらくなってしまってはいけませんし、内容もおざなりにしてはなりません。
このあたりに関しては後述していきます。
仕様を把握する
実際に台本を作成するにあたって、まずしなければならないのが仕様の把握です。
どの箇所でボイスが発生するのか、どのくらいのボイスの総数が必要なのかをまずは把握する必要があります。
マイページで流れるボイスなのか、バトル中に流れるボイスなのかで、言わせるセリフは違ってきます。
下記の記事でもそのあたりに少し触れていますので、是非、合わせて読んでみてください。
フリーライター必見!プロが教えるフレーバーの書き方!守るべき6つのルール
また、ゲーム内で使われないボイスとして、感情ボイスというのがあります。
これはストーリーパートがフルボイスではない場合、要所要所で流れるボイスのことです。
喜怒哀楽はもちろん、驚きや叫び、悲鳴なども入れておくと汎用性があります。
ただ、これを増やし過ぎても、結局使わないとなることも多いので、よく精査してから台本に載せる項目としましょう。
さらに開発段階では「やっぱり、こういうセリフも欲しい」ということも多いです。
その場合、もし、ボイスを収録してしまった後だと、再収録となります。
これは正直に言って、かなり開発費コストに悪いです。
たとえ、数個のボイスだとしても、再収録は一回目の半分以上の費用は掛かってきます。
ですので、プランナーさんと話し合い、まずは1キャラ分のボイスを収録してゲームに当てはめてもらいます。
通してゲームをしてみて、「やっぱり、こういうセリフも欲しい」というのを洗い出してからボイスの量産をしていった方がいいですね。
いきなりボイスの量産をしてしまうと、酷い目に合うこともあります。
※ただ、常にリリース日に逆算して考えるようにしましょう。
待ち過ぎて、そもそもリリース日までにボイスが収録できないなんてことにならないようにしてください。
項目別に選別する
必要なセリフの選定が終わったら、次は項目別に選別しましょう。
これは機能別にまとめたほうがいいです。
ここがバラバラですと、マイページの落ち着いた感情のセリフの後に、バトルの激しいセリフが続き、その後ログインボーナスのボイスとなると、声優さんの感情をコロコロと変えることになります。
声優さんもプロですから、対応していただけると思いますが、ここはマナーとして同じような感情のセリフをまとめるようにしましょう。
さらに機能別にまとめておいた方が、後々、内部で必要となった際にセリフを探しやすくなります。
台本は意外と「ボイス収録した後」でも必要となってくる「資料」です。
項目順に関しても適当に並べるのではなく、把握しやすいように作っておきましょう。
セリフを書いていく
機能別に項目を並べたら、次はいよいよセリフを書いていきます。
ここはキャラクターの性格に合わせた形で、セリフを作成してきます。
ですが、ここでも注意点があります。
単にキャラクターの性格に合わせて書くだけではいけません。
それはどういうことかと言うと、このフレーバーボイスも「キャラクターを紹介できる箇所」になるからです。
裏設定や他のキャラクターとの関連性などもあるなら、是非、セリフの中に入れ込むといいでしょう。
たとえば厳格なキャラクターなのにピーマンが嫌いというギャップがあるキャラクターがいたとします。
そういう場合は「昼はピーマンの肉詰めか。…すまんな。今は腹が減っていないのだ」というようなセリフをマイページに入れておくと、ユーザーにはちょっとしたご褒美的なボイスになるわけです。
とは言っても、必要以上に、不自然に入れ過ぎてもいけません。
説明台詞にならないように工夫しながら入れていきましょう。
あとはシステム面の説明も入れられるなら入れておきましょう。
そのキャラクターの属性や武器種、種族なども表現できるようなセリフが出来れば入れておくとよいでしょう。
この辺りは完全にさじ加減になります。
キャラクターの性格を殺さないように、説明セリフにならないように配慮して書いていく必要があります。
台本の形式について
最後に台本の形式について書いていきます。
まずは声優さんが読みやすいように作るのが優先です。
適当な箇所で改行を入れて読みやすくしましょう。
「やっぱり今日は止めておくよ。疲れたから帰って寝ておきたいんだ」というセリフがあるとしましょう。
これを台本に起こした際に、下のようになってしまうと大変読みづらいです。
「やっぱり今日は止めておくよ。疲れたか
ら帰って寝ておきたいんだ」
こういう場合はちゃんと、文章が切れるところで改行しましょう。
また、先頭に空白を入れることで、さらに読みやすくなります。
「やっぱり今日は止めておくよ。
疲れたから帰って寝ておきたいんだ」
シナリオを書く際はこういう部分は気にかけないので、意外と忘れてしまうことが多いです。
上記と同じ理由で、セリフはページをまたがらせないように注意してください。
収録中、声優さんはページをめくることに最新の注意を払わないといけません。
なぜなら、めくるときの音が入ってしまうからです。
この辺は音響さんの技術で消すことはできますが、そもそも台本でセリフの途中でページをめくることがないように配慮する方がいいでしょう。
あとは台本の最初に簡単なキャラクター設定も載せておくといいでしょう。
おそらく、ボイス収録依頼をする際に、台本と一緒に詳細なキャラ設定も送ると思います。
ですが、わざわざ収録時にその詳細設定の資料を持ち運ぶというのもどうでしょう。
設定資料はあらかじめ読み込んでもらい、収録時は簡単な確認としての設定を台本で確認してもらうくらいでよいでしょう。
さらに、これは後々の内部資料として使うときにも有効です。
ちょっとした設定を書いておけば、台本を見るだけで済みます。
もし、台本に何も書いていなければ、キャラクター設定書のほうも開いて確認するという作業が増えてしまうことがあります。
あとは意外と必要なのがボイスIDも入れておくというところです。
これは、もちろん収録会社が、どのボイスをどのIDのファイル名にしたらいいかがわからないので、必ずつける必要があります。
また、これ以外にも内部用にボイスIDを確認するための資料として役立ちます。
セリフとボイスIDが紐づいた資料というのは、意外と必要になってきます。
ですので、必ず台本にはセリフとボイスIDはセットで入れておくようにするとよいでしょう。
ゲーム制作に関連した記事をまとめています。
合わせて読んでみてください。
ゲーム業界者用の記事まとめ プランナーやライターは必見!
それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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