シナリオは技術
シナリオ学校時代、最初に講師に言われた言葉です。
最初の頃はピンとこなかった言葉でしたが、今ではなるほどと思えます。
シナリオなどの物語はただ単に起こったことを並べるだけではありません。
ストーリーの波や効果的に見せるための構成など、
色々と技術を駆使して作っていきます。
ですので、才能がないと嘆くこともありません。
結局は勉強して身に付けていく技術になります。
台詞はセンス
台詞に関しては感性がある程度必要になります。
台詞が上手い人などは、印象に残る台詞を書くことが多く、
そういう台詞を見ると純粋にすごいなぁと思います。
ただ台詞を作るのが苦手という人も、気落ちする必要はありません。
生きたキャラができれば、おのずといい台詞は出てきます。
台詞自体がいいものでも、絶対にそんなことを言わないキャラが言うと違和感しかありません。
ルフィが「諦めたらそこで試合終了だよ」と言い出しても、ん?としかなりません。
確かに台詞は感性もありますが、結局は慣れとキャラの作り込みで
いいセリフというのは生み出していけます。
ストーリーとは
ストーリーは単に起こったことを順番に書くものではありません。
それではただの日記になってしまいます。
他人の日記や作文が面白くないのも、ストーリーになっていないからです。
ではストーリーとはなんでしょうか。
それは『変化』になります。
物語が始まったときと、終わったときで何かしら『変化』が起きないといけません。
それは「状況」でもいいですし、キャラの「心情」でよいです。
状況でいうと何か事件が起こって解決することで
心情でいうと悩みがあって(できて)、それが解消されることになります。
ですので、ストーリーを作る際は、まず『どういう変化』をする物語にするかを考えましょう。
状況の変化
まずは状況の変化について考えてみましょう。
よく「主人公が成長していないといけない」という話を聞きますが
必ずしも成長がなければならないというわけではありません。
例をいうと、四コマ漫画や日常系と呼ばれる漫画は
特に主人公が成長するといったことはありません。
四つのコマで成長は描けません。
というより、たった四コマでする成長なんて薄っぺらいものです。
成長がなくても四コマ漫画や日常系の漫画は
ちゃんとストーリーがあります。
というのも、この手の漫画は「状況の変化」を使ってのストーリーになっているからです。
大小はあるにしても、必ず何かしらの「きっかけ」となる事柄が起き、
それをキャラクターたちがどう反応し、どう対処していくかを
楽しませる作りになっています。
そして、必ずそれには「オチ」と呼ばれる解決、もしくは解消が描かれて終わります。
オチが書かれていない物語はなんだか、投げっぱなしの感覚がして
読み終わったときに爽快感に欠けてしまいます。
ただし、この「状況の変化のみ」の場合は上で書いたように
比較的に短いストーリーに向いています。
逆に長いストーリーの場合、「状況の変化のみ」だと
余程キャラクターが魅力的じゃない限り
見ている方が飽きてきてしまいます。
というのも、感情の変化がないと見ている方は
なかなか感情移入がしづらくなってしまうからです。
心情の変化
次に心情の変化について考えてみましょう。
これは主人公、または主人公の近くにいるキャラクターが
何かに悩み、それを解決する、もしくは落としどころを見つけるといった内容になります。
見ている人は、その変化する心情を自分に見立てて感情移入していきます。
なので、主人公、もしくは主人公に近い存在を変化させた方がいいです。
感情の変化があるということは、そのキャラクターの内面を描くことになりますので
より多くのシーンでそのキャラが登場することになります。
そうなれば、自然と見ている方はそのキャラクターに感情移入していきます。
時々、主人公がそのキャラの魅力に負けてしまうことがありますが、
それは、主人公よりも心情が変化するキャラクターに目がいってしまうからになります。
ストーリーを考える際はその辺も考慮していきましょう。
慣れないうちは主人公の感情を変化させる流れにした方が無難となります。
また、「感情の変化」には必ず「状況の変化」、つまりはきっかけが必要となります。
そのきっかけを始まりとして、物語は進んでいきます。
ですので、ストーリーは「状況の変化」のみの場合はあっても
「感情の変化」のみということはありません。
考え方として、「状況の変化」のみの場合は
その状況(事件)にキャラクターを入れ込んで、どうリアクションをさせるかを考え、
「心情の変化」がある場合は、そのキャラの心情を変化させるための状況(きっかけ)を考えていきます。
つまりは先に「心情の変化」を考えてから「状況の変化」を考えていきましょう。
まとめ
ストーリーとは「状況の変化」および「心情の変化」を、どう見せるかということになります。
ストーリーを考える際は「どのような変化が起きたら見ている人は楽しいだろうか」というのを考えて作っていくといいでしょう。
それでは今回はこのへんで。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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